『なぜ、エグゼクティブはゴルフをするのか? 読むだけで、仕事と人生の業績がUPするショートストーリー』
[著]パコ・ムーロ
[発行]ゴマブックス
~能力に有効期限切れはあるか~
現在多くの会社が、ナレッジマネジメント(知識管理)計画や人材マネジメント制度を設定しようとしている。
一方で、そうした方策と平行して、人員削減や若年層の取り込みも進められている。
それを可能にしているのが早期退職制度であり、57歳でその対象になることもあれば、54歳あるいはそれ以下の場合もある。
早期退職制度の困った点は、1人ひとりの能力を考慮せずに一斉に適用されることだ。
つまり、早期退職の対象となる一定の年齢に達したら、どこにいようが、どんな能力や知識を持っていようが、全員に適用されてしまうのだ。
このようなことを見ると、大きな疑問が沸き起こらないだろうか。
「50何歳かの時点で、能力は有効期限が切れるのか?」
そんなこと、私は聞いたことがない。
「プロフェッショナルの能力」の定義としては、「知性を知的に活用する力」ということが知られている。
ここでは、少しつけ足して、次のように考えよう。
「仕事を遂行するときに、知識・経験・ノウハウを、知的かつ有効に活用する力」
50代の社員はプロ集団を構成している。
彼らはハイレベルな知識を持ち、間違いなく経験も積み、なかには偉業を達成した人もいる。
彼らのような人材をなぜ無駄にするのだろう?
高い地位にある年配社員のなかには、高給に見合うほどの働きをしていない人もいるかもしれない。
確かにその場合は、若い社員に勝てない。