読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン
0
-2
kiji
0
0
1085299
0
ぼくらの真実
2
0
0
0
0
0
0
政治・社会
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
一の扉 独立

『ぼくらの真実』
[著]青山繁晴 [発行]扶桑社


読了目安時間:21分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ



 本題の一



 (さくら)の春になると毎年、ぼくは(きん)()(だい)(がく)のキャンパスで新しい(わか)い顔にめぐり()います。


 ご(えん)あって(けい)(ざい)(がく)()(きゃく)(いん)(きょう)(じゅ)として毎週火曜に、(こく)(さい)(かん)(けい)(ろん)(こう)じていて、そこに新入生がどっとやって来ます。大学の当たり前の光景のようでいて、ほんとうはどきどきするような(ぐう)(ぜん)の重なりあいのおかげで、ひとつの教室で顔を合わせています。


 一時間半づつの(じゅ)(ぎょう)をふたコマ、その合間の(きゅう)(けい)()(かん)も教室にいて(がく)(せい)(しょ)(くん)(しつ)(もん)や相談を受け、合計三時間十分をぶっ続けで教えます。


 その新入生に必ず、最初に投げかける問いがあります。


 それは「きみは(どく)(りつ)しているか、日本は独立しているか」という学生諸君には意外な問いです。


 十八(さい)や十九歳ほどの学生の多くがこう答えます。「それは……私はまだ独立していません。しかし日本は独立しているでしょう」。男子も女子も、当然ではないかという(ひょう)(じょう)です。

「いや、きみは独立している。しかし、残念ながら日本はまだ独立していない」とぼくは(もん)(だい)(てい)()をします。


 学生たちが「私はまだ独立していません」と答えるのは、親がかり、親から学費や生活費の一部を出してもらっている学生が多いからでしょう。


 しかし、実はそれは関係ありません。関係あるのなら、たとえば心身に(しょう)(がい)があって(だれ)かの()(えん)がないと生活できない人は、(しょう)(がい)、独立できない、(いち)(にん)(まえ)ではない人なのでしょうか。


 にんげんは生まれ出た(しゅん)(かん)から、ひとりの(じん)(かく)として独立しています。これが、人間社会のもっとも大切なことのひとつです。だから、区別も差別もないのです。


 生活の(じょう)(きょう)によって独立しているかどうかが左右されるのなら、そこから区別や差別が始まります。ここを()(ちが)うから、社会が苦しんできました。


 どの人もこの人も、代わりはいません。


 この書を今、手にしているあなたは、この先に()(ちゅう)が何百億年続こうとも、二度と生まれません。


 学校の(せい)(せき)も、人生の成功不成功も、見かけも何もかも関係ない。誰もが、ただ一度切りの代わりのいない(そん)(ざい)です。


 だから学生諸君も、あなたも、ぼくもみな独立しています。



 本題の二



 ところが一方で、独立しているはずの日本が独立していません。


 たとえば、わたしたちと同じ日本国民が(きた)(ちょう)(せん)という小さな()(たん)(こっ)()(ゆう)(かい)()()されたまま、誰も取り返しに行けないからです。


 取り返しに行かないのではありません。行けないのです。


 たいせつな(こん)(ぽん)(ほう)()(けん)(ぽう)(だい)(きゅう)(じょう)に「国の(こう)(せん)(けん)は、これを(みと)めない」と定めてあるからです。


 憲法の(かい)(しゃく)には、いろいろあることになっています。


 ありのままに語ります。学者たちが仕事として(ふく)(ざつ)に解釈することは、そのままにしておきましょう。ほんとうは法は、法学者のためにあるのではなく、(じょう)(しき)に生きる、ふつうの(たみ)のためにあります。

この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:8694文字/本文:10243文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次