エンタメ
お気に入りとは?
お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。
パワースポットって何?
『東京魔界巡礼』
[著]並木伸一郎
[発行]イースト・プレス
読了目安時間:4分
この記事が役に立った
0
通常、パワースポットは私たちにパワーすなわち「なんらかの力」を与えてくれる場所である。そのパワーとは「元気」だったり、「幸運」「癒し」などとも呼ばれている。いずれにせよパワーとは、物理的ではない「心のパワー」だといえる。だが人間はこの「心のパワー」が足りないと、クヨクヨするなど精神が鬱々としてしまうのである。
「心のパワー」が漲っているときは、現実の力に作用する事も多い。プライベートがうまくいっていると仕事も家庭も、そして恋愛もうまくいく、という話をよく聞くが、人間はこの「心のパワー」が充実していないと、精神的にも身体的にも悪い影響が出てきてしまうのである。
パワースポットを訪れると、よく心が洗われるような気がして、心機一転「元気」がわいてくる。そして「元気」をもらった後の活動の結果、思いもよらない成果を得られることがある。
人によっては宝くじが当たる、病気が治るなどの「幸運」をパワースポットから授かることもある。「幸運」とは、とてつもなく小さな確率の元に訪れるかもしれない、偶然の出来事である。これもまた、通常ではなかなか得られないパワーのひとつである。
つまりパワースポットのパワーとは、自分では簡単に手に入れることができないなんらかの「物理的ではない力」のことであり、またその力を得ることで現実にプラス作用をもたらす効果がある、ものなのである。
たとえば、今ここに、雲ひとつない青空があるとする。そこには「スポット」と呼ばれる、周囲と「何か」が異なり区別できるような場所はない。だが、地上の景色と対比すると、青空は地上とは「違う場所」として認識できる。そこは青空という「スポット」になるわけだ。
周囲と異なる場所を「スポット」と呼ぶのであれば、パワースポットとは「現実に作用する特殊な力が出ている、「周囲とは異なる場所」ということになる。
だがパワースポットは、そこを「周囲とは異なる場所」だと感知しない限り、パワースポットとはなり得ない。そこが金運のパワースポットだと知らずに通ったとしても、宝くじが当たる確率は上がらない。パワーを感知できなければ、〈効果=ご利益〉が得られない。パワーを感知して受信する能力が必要なのである。
パワー感度がいい人は、パワースポットと呼ばれていない場所でも、知らずにパワーを受けている場合がある。自分が好きな場所や癒される場所には、多かれ少なかれ自分に合ったパワーが出ており、それを敏に感じ取っているのだ。
この「好きな場所」は別にして、多くのパワースポットは、神社やお寺、古代の遺跡などである。古来より神域とされていた場所を訪れたとき、近づいただけでヒンヤリとした空気や厳かな「何か」を感じたことはなかっただろうか?
〈なんだか空気が違う〉、そう感じたはずだ。しかし本当に空気の成分が違うわけではない。その場所が持つ「雰囲気」が違うのである。この「雰囲気が違う」場所は、周囲から異なる場所、つまり〈異界〉である。
ではなぜ、「雰囲気」が周りと違うのか。
それこそが、この得体の知れない「パワー」の正体なのである。このパワーは神社によってご利益が違うように、場所によってその効果はマチマチである。人に活力を与える力、恋愛力を高める力、病気を治す力、刃物の切れ味を元通りにする力、食べ物の腐敗を遅らせる力など、人間の外的内的はもちろん、金属や無機物にも影響を与えることができる。有名な鎌倉の銭洗い弁天様では、泉で洗ったお金にパワーが宿り、洗ったお金を持っているとお金が増えていくという。
人間以外の「物」にもパワーが宿るということは、パワーの正体は心的パワー以外にも電磁波や静電気、磁場、人に聞こえない周波数や音波などの物理的パワーも含まれるということになる。
つまりパワースポットとは、周囲とは明らかに異なる雰囲気を持った〈場所=異界〉であり、その異なる雰囲気の原因は人間や物に何らかの力を与えるパワーを指す。そのパワーとは電磁波や周波数などの目に見えない物理的な力で、パワースポットにはその力が満ちているということになるのだ。
残り:0文字/本文:1689文字
この記事のサンプルはここまでです。続きは有料となります。
- 関連キーワード:
-