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やくざと芸能と 私の愛した日本人
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エンタメ
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おわりに

『やくざと芸能と 私の愛した日本人』
[著]なべおさみ [発行]イースト・プレス


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 私は役者にならなかったとしても、恐らく月給取りにはならなかったと思います。私の体の内に流れる血には、それを良しとするものが無いと思うのです。ですから、「なれなかった」が正しいでしょう。私の様な血の流れの人間を集めて、例えば農業をやらしたとしても、とても務まるものではありません。それは「クシュ」と名指された人間の特性を無視した、押し付けでしかありません。「クシュ」は、押し付けに逆らう性質の人間ばかりです。


 ところが、そうした人間でも、「オヤジ」を信奉する生き方の中で、人間的に成長し、その人間が「オヤジ」として慕われ、多くの「クシュ」を束ねる役目を担う様になるのです。そうした人間の「クシュ」から、ヤーの付く「ヤークシュ」として一家をなす人間を、私も五十年以上をかけ見つめてきました。


 元元、真っ当でない人間として生きているのですから、失敗もあります。その時はその時で、充分お叱りを受けて罰を与えられる訳です。


 世間からは、私の言う①男を売る、②芸を売る、③媚や色香を売る、そういう世界の人間達は軽視されております。それでも「クシュ」の者達は、ひとかどの者になろうと生きながら、心の一角に「米の一粒もつくらずに生きてて、本当にすまないなぁ。申し訳ない事だ」といった思いは持っているのです。私は、そう思った時こそ、「クシュ」が「ヤークシュ」になれた時だと信じています。


 太古の昔から、分を(わきま)えて生きなければいけないと教えられてきたのですから、今更ながら、それを肝に銘じておかなければなりません。


 津村和磨さんは、誰もが認める大親分になってからも、自転車に乗って走り回っていたお方です。同様に全国一の組員の上に立つ、あるお方は、毎年暮になると、正月を迎えられないでいる家庭にお餅を配っています。勿論、全て匿名での行為です。


 東日本大震災に対して支援物資をいの一番に供給したのも、この組織です。組織の本部の敷地内には井戸があり、阪神・淡路大震災で断水した時にはフル可動して近隣の人々に給水し、炊出しや必需品の配布に大活躍したのです。地元はこれを忘れてはおりません。


 そして、この組織はたとえ痛めつけられても、「ああいう、こういう善い事をした」等という発信をした事がありません。この淡淡とした男らしさに、心をとどめない訳には参りません。


 天台宗の最澄は、「一隅を照らす」と申されました。一隅を照らす行為は、一つひとつあげれば大変な数です。しかし、これこそが「天知る、地知る、我知る、()知る」なのではないでしょうか。



 これは稲川会総裁から直に聞いた話です。当時稲川会は一年の締め括りを祝って、毎年暮になると、一家一門の主だった人間を招いて、赤坂や六本木で忘年会を行っていました。その時期になると、稲川聖城総裁自らが警視庁へ出向き、警視総監に面談し了承を頂いていたそうです。

「すると長官から、店の前にズラリと車が並んで待っていたりする事がない様に、迷惑が掛からぬよう配慮して下さいとか注意があるんだ」


 それで終わっていたそうです。

「お上には決して逆らわない。ここは東京で、天皇陛下のお膝元ですからね」



 この話を聞きながら、一度でいいから、日本中の極道や右翼の人達を集めて、天皇陛下に謁見させ、お言葉を頂戴して帰させたら、日本ももう少しギクシャクしなくなるんじゃないかなぁと、思ったものでした。どうか世間の皆様も、暴力団などと決め付けないで、良い極道か只の与太者なのか、地元の人間を今一度しっかり見つめてみて下さいませ。


 私もまだまだ「クシャ」でしかありませんが、もうひと努力しつつ、「ヤー」の付く方々の様な本物の「役者」に成長出来るべく奮闘してみます。ありがとうございました。

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