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「未熟な夫」に、もうガマンしない!
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生き方・教養
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はじめに

『「未熟な夫」に、もうガマンしない!』
[著]山崎雅保 [発行]二見書房


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 新装再刊です。よろしく。



 本書の初版が『「未熟な夫」と、どうつきあうの?』と題されて書店にならんだのは、二〇〇四年五月でした。


 今にして思えば、あの当時の私は「夫婦たちの行く末」についていくらか楽観的でした。本書に紹介されているような「未熟な夫」は次第に少数派となり、さすがに絶滅危惧種とまではならないものの、もっと妻に折り合う夫が多数派となり、それにこたえてよりよい日々を重ねられる妻も増えるだろうと思っていたのです。


 他方では、どうしようもない「未熟な夫」を見限ってシングルマザーの道を選び、(さつ)(そう)と我が世を培い、母としての成熟をも重ね続ける女性も増えるだろうと思っていたのです。



 ところが、あれから一〇年に近い歳月を経た今、私どものカウンセリングルームを訪れてくれる妻たちの話を聞いているかぎり、状況は少しも好転していません。


 日本経済がジワジワと厳しさを増し続けたことも影響しているのでしょう、妻たちの多くは、かつてよりも「耐えて忍ぶ」という選択を余儀なくされているようにみえてなりません。


 いささか悲しいことだと思っています。「耐えて忍ぶ」ということが当たり前の日常になってしまったとき、人の心は自尊心と誇りを失ってしまうからです。そうなってしまった心は、周囲のみんなを尊重する力もそぎ落としながら、何よりも痛ましいことに「我が子」を慈しむゆとりさえも見失いかねません。


 むろん夫との関係も停滞または悪化してしまい、夫たちは「未熟な心」を抱え込んだまま不平不満と不機嫌の歳月を過ごし続けることになってしまいます。


 どうせ生きてゆく日々なのに、もったいないことですね。



 私は思うようになりました。


 妻たちも夫たちも「生き方」の根本をちょっと見直してみればよいだけではないのか、と。


 決して満たされるはずのない「幸せを保証する豊かな消費生活」などという幻想を(むな)しく追い続けることなどやめにしたほうがよい、と。


 収入を確保し続けるためにはどんな理不尽にも苦痛にも耐えるほかないというような「思い込み」を手放したほうがよい、と。


 綿々と織りなされてきた人間文化の流れのより深いところから汲み上げられる「実のある豊かさ」を求め始めるほうが得だ、と。


 そう思うようになりました。



 夫の未熟も、あるいは妻の未熟も、夫婦の離反も、または親子の葛藤も、つまりは「私の生き方」を問う入り口となる「課題」なのです。


 結婚を継続するなら「幸せ」を手にできるとは限りません。離婚するほうが「幸せ」に近づけるとも限りません。


 どちらの道を選ぶのだとしても、「私」が日々の中で選び続ける()(さい)な事ごとが「幸せ」の質を決めていくのだと、私は思っています。

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