『「未熟な夫」に、もうガマンしない!』
[著]山崎雅保
[発行]二見書房
子どもは人間的成長のトレーニングマシン
女性は、妊娠・出産・授乳・育児というプロセスに入った瞬間から、このような厳しい試練を与えられます。その厳しさを、男性はとうてい実感できるものではありません。したがって夫婦の心的成長は、妻の妊娠の瞬間をもって枝分かれしてしまうとみることもできます。
だからといって、女性の人生は悲壮だというつもりはありません。子育てが象徴する「大変な作業」には、必ず見返りがあります。喜びがあります。
そもそもDNAには、あらゆるものをなげうってでも子育てにエネルギーを注ぎ、そこに満足を見出すように働く回路がプログラムされています。このプログラムが上手に機能せず、極端な場合には我が子を遺棄したり虐待してしまうという悲劇が生じることもありますが、通常は機能します。
したがって「子育ては大変だけど、でも何物にもかえがたい喜びがあるわ」と、大多数の女性たちが感じてくれるのです。
それにしても、お母さんたちが子育ての日々で次々につきつけられる課題は生半可なものではなく、どうあがいたところで未熟にとどまっていて乗り越えられるものではありません。しかも課題は、初級・中級・上級・エキスパート級へと難度を高め続けます。