『「未熟な夫」に、もうガマンしない!』
[著]山崎雅保
[発行]二見書房
ほかにも愛してくれる人がいる
では、成熟へ向かう心は、「甘え・依存の対象が広い範囲に及ぶ」のはなぜでしょう。
この点については、発達心理学的な視点から考えると分かりやすいかもしれません。生まれてからの子どもの成長をたどってみると、その意味が分かります。
生まれたばかりの赤ちゃんは、母親に抱かれる心地よさを知ります。そして母親が乳を与えてくれて、世話をしてくれて、ほほ笑み語りかけてくれることを知ります。こうして赤ちゃんは母親に甘えるようになります。
つまり母親こそが愛を注いでくれる絶対的存在であると知ると同時に、赤ちゃんは、母親なしには一瞬たりとも耐えられない全面的依存状態となります。