読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン
0
-2
kiji
0
0
1090977
0
プロデュース入門―オリジナリティが壁を破る
2
0
0
0
0
0
0
ビジネス
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
§1−3 編制

『プロデュース入門―オリジナリティが壁を破る』
[著]平野暁臣 [発行]イースト・プレス


読了目安時間:21分
この記事が役に立った
0
| |
文字サイズ

§1-3 編制

「腕力」を備え、「個性」を保証する


 プロジェクトはひとり実験室で行う営みではない。チームで遂行する団体戦だ。オーケストラをイメージしてもいいし、戦闘に喩えてもいいが、とにかく部隊を組織しないことには演奏も戦いもはじまらない。


 指揮官が敵や地形を考慮しながら兵士の陣形を整えるように、適材適所の人材を集めてフォーメーションを組む。必要な専門家や技術者をキャスティングして実務執行に最適な組織をつくる。『編制』はプロデューサーにとって必須の仕事であり、プロデュースの成否を握る最重要テーマのひとつだ。


 チームの編制には大きく二つの課題がある。ひとつはそのプロジェクトを背負うに足る物理的な遂行能力、いわば「戦力」や「腕力」を備えることであり、もうひとつは望ましいクリエイティブの質、すなわち「個性」や「テイスト」を保証することである。コトづくりであれモノづくりであれ、プロジェクトが成功するか否かはこの二つの掛け算で決まる。


 六本木ヒルズアリーナのときももちろん同じだった。一回限りのイベントを毎週のようにやり続ける「持久力」と、一つひとつのプログラムに高度な個性と品質を与える「瞬発力」の双方を合わせ持たねばならない。


 そこで実務体制を二層構造で構築するシステムを考えた。まずはイベントの企画から制作までを自前でこなせる実務遂行体制を森ビル内部に準備する。六本木ヒルズアリーナの運営の足腰となる常駐の制作部隊だ。会場の設営や運営などの物理的な機能はもとより、企画・制作等のクリエイティブな機能についても、最低限のものならこの部隊だけでこなせる能力を揃える。そしてそのうえに、個性的な味付けを担うクリエイターや技術者をプログラムごとに付加的に投入する。一言でいえば、安定した基壇の上に毎回違った積木を乗せるシステムだ。


 むろん考えただけでは意味がない。実際にその仕組みをつくらねばならない。幸いなことに、六本木ヒルズアリーナに関する森ビルサイドの責任者・川崎俊夫氏がこの種の事情に明るくセンスのいい人だった。社内で商業施設関係を束ねる彼はラフォーレ原宿の総責任者でもあり、感度のいい数々の自主企画イベントをラフォーレミュージアムから世に送り出してきた張本人だったからだ。彼は制作実務をぼくに任せ、自分はサポート役に回って社内調整を引き受けてくれた。つくろうとする実務体制は社内の組織構造からみれば異端だったが、彼と二人でなんとか短時間で実現させることができた。

この記事は役に立ちましたか?

役に立った
0
残り:9048文字/本文:10083文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次