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プロデュース入門―オリジナリティが壁を破る
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§1−8 管理

『プロデュース入門―オリジナリティが壁を破る』
[著]平野暁臣 [発行]イースト・プレス


読了目安時間:16分
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§1-8 管理


 管理は「段取りが命」


 ゼネコンの現場監督になって管理のイロハを叩き込まれた。管理することが現場監督の仕事だから当然なのだが、とくに当時はゼネコン各社が近代的なQC手法を導入しはじめた頃だったから、研修で品質管理の理論や手法をいろいろと学ばされた。しかし、ぼくの血となり肉となったのは座学で学んだ理屈ではなく、現場での体験だった。


 右も左もわからぬまま放り込まれた最初の現場で、いきなり老練な所長に訊かれた。「われわれゼネコンはどうやって儲けるか、お前わかるか?」。わかるわけがない。仕方なくぼくはこう答えた。「腕のいい営業マンが見積をふっかけるのでしょうか?」。


 「バカモノ! 段取りだよ、段取り! 段取りが良ければ金は浮く。だが段取りが悪いと無駄な金がどんどん出ていくんだ。どんなに金があったって、そんなものはあっという間に無くなる。気がついたときには遅いんだよ。オレたちは段取りで飯を喰っている。それを忘れるな!」。そのときの所長の言葉をぼくはいまでも思い出す。


 そして実際、彼の言う通りのことが起こった。鍛冶屋を呼ぶべき状況にあることに気づかなかったぼくは、工程表通りに鉄筋屋を入れた。だが鉄筋屋は仕事にならない。鍛冶屋の手配がつき、その仕事が終わるまで鉄筋屋は手待ちになった。やっと鉄筋屋の作業がはじまったときには、次工程の大工が現場に乗り込む日が目の前に迫っていた。大工に事情を話し、乗り込みを遅らせてもらったのだが、彼らは次の北海道の仕事が決まっていたから、作業途中でぼくの現場を抜けなければならない。万一そうなったらしばらく現場は止まり、工程はメチャクチャになる。なんとかそうならないよう彼らに泣きつき、ペナルティを支払って……。


 こうして、たったひとつの小さなミスが雪だるま式に工程を狂わせ、たくさんの人工を遊ばせたあげくに多くの金を空費した。

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