●はじめに
アメリカ連邦準備理事会(Federal Reserve Board)議長のジャネット・イエレン議長が、2014年3月31日にシカゴ市内で講演を開いた。アメリカは失業者数が増えている状況にあり、とても危機感を持っていることを改めて強調。アメリカ経済は楽観的に見ることができない厳しい状況にあることを示し、そのなかでFRBがどのような舵取りをしていくのかが大きく注目されている。
当然の話ではあるが、経済の状況が違えば、アメリカの対極東政策にも違いがでてくる。日本、韓国を含むアジアの平和維持にアメリカが少なからず貢献している以上、この経済問題は私たち日本人にとっても決して他人事ではすまされない。さらには世界経済の中心であるアメリカの経済が停滞するようなことがあれば、他国にとっても大きな影響を与えることになる。
本書では、イエレン議長の演説を全文英語で、解説を日本語で掲載。そこからどのようなことが読み取れるのか、今後の世界経済、アジアの平和維持に関してどのような展開が見られるのか、いまいちど考えてみよう。