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「若者はかわいそう」論のウソ データで暴く「雇用不安」の正体
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政治・社会
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§2 地殻変動に対応するための暴論

『「若者はかわいそう」論のウソ データで暴く「雇用不安」の正体』
[著]海老原嗣生 [発行]扶桑社


読了目安時間:40分
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 3つの地殻変動が7つの問題を生み出している。


 この根源的な問題に対処するために、今まで私は、『雇用の常識「本当に見えるウソ」』と『学歴の耐えられない軽さ』であえて暴論を述べてきた。その内容をさっと振り返り、さらに、読者のみなさんや識者からいただいた質問やご指摘を交えながら、再度説明していきたい。


①教育安保政策―外国人労働者と海外新市場



 これは、平たく言うと、


 ・期限付き外国人就労者受け入れ、という施策である。

A)想定期限を25年として、

B)入国には、独自の試験(語学・知識・人物等)を課す。

C)この試験を世界各国に広めるために、日本語/日本文化教育学校を、世界各地に作る。

D)受け入れに際し、1年程度、日本語・日本文化を再教育し、インターンシップ就労を経て、仕事に就く。この受け入れ教育のために、経営不振の大学・短大を活用する。

E)想定人数は年間10万人。配偶者・子息に限り、同伴を可能とする。


 というものだ。


 一番たくさんの質問をいただいたのが、やはりこの提案についてである。以下、順次答えていこう。

質問▼「なぜ、いきなり外国人なのだ。高齢者・女性の労働参加がまずあってしかるべきではないか?」

私の考え▼もちろん、それは当り前の大前提だ。ただし、3つの意味で、高齢者・女性の労働参加では問題は解決しない。

理由①現状でもかなり労働参加率が高い。


  6574歳までの前期高齢者の労働参加率はすでに31・2%(平成17年度国勢調査)。これを50%までアップしたとしても、労働参加者は約250万人しか増えない。同様に、1565歳の女性の労働参加率は62・2%。これも、世界水準に近い。育児休業や専業主婦志向の人の存在を考えると、この数字を大幅に伸ばすことは難しいだろう。

理由②就労の偏りの問題。


  今でも、3K職種、販売・サービス・飲食業、そして中小企業への就労希望者は少なく、恒常的な人手不足となっている。仮に、女性・高齢者が労働参加しても、ホワイトカラー職務・大企業への志望が強いため、非ホワイトカラー職・3K職、中小企業は人手不足に悩まされる。

理由③消費が伸びない。


  高齢者・女性の労働参加が増えたとしても、人口自体は減少するために、基礎的な消費は伸びない。そのため、内需産業は徐々に衰退していく。内需産業がさらに伸びるためには、「消費をしてくれる人」を増やさなければならない。


質問▼「外国人労働者の増加で、治安に問題がでないか?」

私の考え▼今でも、違法すれすれの外国人就労者を、飲食・サービス業や建設・製造業にて目にする。その数は年々増えている。きちんとした仕組みを作らずに、こうしてなし崩しに治安が悪化するよりは、完全に資格試験化して、「能力」「文化・風土適性」「語学力」などがしっかりした人間に資格を与えて就労してもらうほうが、治安面でも生産面でもよいと考える。


質問▼「難しい試験を受けてまで日本に来たい外国人は多いか?」

私の考え▼日本の給与は、世界的に見ると非常に高い。1人当たり国民所得で比較すると、今でも、全世界の7割以上の人たちが、日本の5分の1以下の水準となっている。こうした国々から労働者を募れば、「一攫千金のチャンス」ということで、優秀な人材が雇用できるはずだ。


質問▼「果たして、就労年限(25年を想定)を超えた場合に、帰国してくれるか?」

私の考え▼ここが一番の問題点。反論側は、「過去に成功した国はない」という。ただし、受け入れ時点で明確に「将来帰国すること」を想定した政策を取っていた国も少ない。要は、魅力的な出口をどう作るか、の問題だろう。


 それに対して、以下のように考える。

25年で帰国してもらうため、年金加入を不要とする。そこで、本人は、毎月の給料から、年金積み立ての天引きがされないことになる。厚生年金相当だとすると、25万円の月給で、月額2万円程度の天引きが不要となる。本人からすると、この分が本国送金に加算できるのは大きい。本国なら2万円で一家が糊口をしのぐことができるからだ。

②ただし、企業は年金積み立てを、日本就労者同様に行うこととする(前著とは変更した点)。その結果、賞与も含めて年間30万円程度の積み立てが行われることになる。25年で750万円。帰国するならば、この積立金を、帰国時に受け取れることにする。

③一方で、日本に残る場合、積立金はもちろん年金に充当するから受け取りはできず、また、25年分の年金未払金を本人が一括支払い(750万円)しなければならない。

④来日時に日本語・日本文化教育を大学・短大にて行うのだが、この費用は、帰国することを前提に無償としている。日本に残留する場合は、25年分の利子も含めた費用の一括返金義務が発生する。


 要するに、帰国するなら750万円が支払われる、残るなら750万円+学費を徴収される、ということだ。


 それ以外にも、さまざまな出口設計をしていくことが必要になると思う。

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