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増税は誰のためか?
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経済・金融
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「足りないから増税」ではなく、税を通して国のあり方を議論する好機に 神保哲生

『増税は誰のためか?』
[著]神保哲生 [著] 宮台真司  他 [発行]扶桑社


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 この本が店頭に並ぶ頃、消費税率の引き上げを謳った法案が国会で審議されているだろう。政局の見通しは立て難いが、可決されれば、私たちは2014年4月から8%、2015年10月から10%の消費税を払うことになる。これも政局次第で変わる可能性はあるが、3月22日時点では、付則で「公布から5年後をめどに必要な法制上の措置を講じる」ことが明記される予定なので、5年後のさらなる増税を念頭に置いた法案でもある。

 早い段階から、マスメディアでは消費税の増税が既定路線であるかのように語られていた。いわく、日本の財政赤字を考えると増税は避けられない、少子高齢化が進み社会保障費が増大すれば、財政はますます厳しくなる、このままではギリシャのようになるから、その前に手当てをしなければならない等々。どれも一見、もっともらしい議論のようではあるが、何のことはない、早い話が財務省の主張そのままである。

 確かに国の“借金”は膨大で、2011年度末の国債及び借入金現在高の見込みは996兆円(国債、借入金等、財投債、政府短期証券)に上る。996兆円は、2012年度の一般会計予算90兆3339億円の、およそ11年分に当たる。そして歳入と歳出のギャップは、この20年間「ワニの口」のように広がり続けている(図表1)。もうこれ以上、将来世代にツケは回せない、消費税増税による歳入の強化が不可欠だ――“偉い人たち”からこう言われれば、誰でも「仕方ない」という気がしてくるのは当然だ。

 しかし、「足りないから上げる」という説明をそのまま受け入れてしまって、本当にいいのだろうか? 税は国の根幹にかかわる重大な問題だ。それぞれの国のあり方や考え方が、税制に色濃く反映されている。なぜならば、当たり前のことだが、国は税金で運営されているからだ。誰からどれぐらい税金を取って、誰にどれぐらい配るかも、国によってさまざまな考え方を反映している。だとすると、「足りないから」以外にも、もっと考えなければならないことが、いろいろあるのではないか。消費税を増税すると、何が変わって、何が変わらないのか。いま我々が直面する問題のうち何が解決して、何は解決されないまま残るのか。増税の前にやるべきことはないのか。なぜ所得税や他の税金ではなく消費税なのか。本当に10%で済むのか。そもそもこの膨大な財政赤字の根本原因は何なのか。原因は単なる税収不足なのか、それとも他にあるのか。その原因を根っこから絶たずに増税をしても、またすぐに足りなくなるのではないか等々。あれこれ考え始めたら、目眩がしてきそうだ。本当に何が正しいかについては、そう簡単に結論は出ないかもしれない。ただ、一つだけはっきりしているのは、そうした議論もなしに、単に「足りないから上げる」というのは、あってはならないということだ。

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