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医療否定本の嘘
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はじめに

『医療否定本の嘘』
[著]勝俣範之 [発行]扶桑社


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 世の中で、医療否定本がはやっています。「医者に殺されない◯◯○○」「がん治療で殺されない○○○○」など。科学的な裏付けが十分にあるわけでもない医療否定が、なぜ、こんなにもはやってしまうのでしょうか。その背景には、国民の医療に対する不安、不信があるのだと思います。



 医学・医療が進歩しているといっても、やはり治らない病気はたくさんありますし、医療は完全ではありません。私たち医療者が大切にすべきことは、治ることばかりを強調するのではなく、治らない病と向き合い、病に苦しむ患者さんと向き合って、ともに闘っていく姿勢だと思います。


 医療の内容が高度化するのにつれ、医療現場は、慢性的な人手不足になっています。大病院での3時間待ち3分診療は改善されるどころか、「医師は目も合わせようとしない」「機械的な対応しかしてくれなかった」「聞きたいことがあるのに、聞けるような雰囲気ではない」など、医療への不信は増すばかりです。


 そのような結果が、医療訴訟の増加となり、ますます、医療と国民の信頼関係を失わせつつあるのではないでしょうか。


 そんななかで、「抗がん剤はやめなさい」「がんは放置して良い」と、現役の医師が声をあげたことは、患者さんにとって耳に優しく響いたのだと思います。


 これらの著者の一人である近藤誠医師は、がん医療の問題点を浮き彫りにしたことは評価できますが、すべてを否定してしまったために、かえって患者さんを惑わせ、現場によりいっそう混乱をもたらしたことは、大きな問題であると思います。


 また、しっかりとした治療をおこなえば治っていたであろう早期がんを「放置」することによって、進行がんとなり、命を落とすという犠牲者まで出ています。


 近藤誠医師の著書は、一見すると、医学文献まで用いて、理路整然と記載があるので、一般の方には、どこが間違っているのか、見分けることができません。現役の医師が医療界を痛烈に批判するところが、読者の共感を呼び、ついつい信じてしまうのではないでしょうか。



 “がん”という病気は手ごわい相手です。


 今日もニュースで芸能人が“がん”で亡くなったと報道されました。亡くなるまで公にはしていませんでした。


 公にできなかったのは、なぜなのでしょうか?


 日本では、まだ“がん”という病気が正しく伝えられ、正しく理解されているとは言い難い状況であると思います。

「がん検診のみしておけば良い」「ステージ4は末期がん」「抗がん剤は入院でしかできない」「がんになったら仕事ができなくなる」など誤解がたくさんです。



 遺伝子検査で、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(BRCA1・2遺伝子の変異を生まれつき持ち、乳がんや卵巣がんになるリスクが高いこと)と診断された女優のアンジェリーナ・ジョリーさんは、がんの予防のために、両乳房切除と卵巣摘出をおこないました。


 日本では、この遺伝子検査も、予防的手術もまだ保険適用になっていません。


 ジョリーさんは、手記のなかで、

「知識は力なのです」


 と言っています。



 ぜひ、日本の皆さんにも、正しい知識を身に付けて、病気から逃げることなく病気と向き合ってほしい。正しい知識を持って、病気と闘ってほしいと思います。



 この本では、がん医療の誤解を解くために、「がんもどき理論」「放置療法」「抗がん剤は効かない」などの、近藤医師の主張に対して、どこが間違っているのか、医学的な見解をできるだけわかりやすく解説しました。


 また、近藤医師の主張の間違いだけを指摘するのではなく、医療者はこれからどうしていったら良いのか、国民・患者さんはどうしていったら良いのか、医療者と患者さんのギャップを埋め、医療をより温かいものにしていくための具体的な提案についても述べさせていただいています。



 “がん”と診断され、「放置療法」や「抗がん剤は効かない」、あるいは「民間療法が良い」といった本を読み、戸惑いを感じている患者さんやご家族の方、また、まだ“がん”にはなっていないけれど、「がん医療論争」の真実が知りたい方などに、ぜひ手に取っていただいて、少しでも多くの方に、真実を知っていただきたいと思います。


勝俣 範之 

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