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自衛隊の経済学
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政治・社会
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安保反対派の「ご都合主義」

『自衛隊の経済学』
[著]桜林美佐 [発行]イースト・プレス


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上念司(以下、上念) ひと足先に原稿を拝見させていただきましたが、今回は勉強になりました。自衛隊と防衛産業を丁寧に取材されてきた桜林さんの思いが、行間から伝わりましたよ。

桜林美佐(以下、桜林) ありがとうございます。防衛産業を経済という側面から述べるのは初めてですし、いままでの読者より広い層を対象にした本ですから、ご期待に応えられているかどうか。上念さんにはいろいろとアドバイスをいただきました。

上念 ということで、本書のいわば露払いとして、われわれの対談を収録することになったわけですが、本文を読んでの話に行く前に、やはりどうしても触れておきたいのが、SEALDs(シールズ)(自由と民主主義のための学生緊急行動)をはじめとする人々による「戦争法案への反対運動」ですよ。


 今回、左翼勢力は、安保法制は違憲だとか、立憲主義に反するとかいって大騒ぎしました。具体的な安全保障論議に発展することなく、「戦争法案」などというレッテル貼りに終始していたように思えます。非常に残念なことです。また同じことを繰り返すのかといいたい。このデモに集まっていた若い人がまだ赤ちゃんのころにもPKO(国際連合平和維持活動)をめぐって似たような騒動がありました。戦後の日本の歴史を調べてみれば、じつは今回のような騒ぎは何度も繰り返されてきたことがわかります。警察予備隊ができたときも、自衛隊になったときも、安保条約改定時も、PKO協力法も、ソマリア沖の海賊対策も、左翼はひたすら違憲だ、戦争に巻き込まれると言い続けてきました。ところが、彼らの予言は全部ハズレです。


 しかも、昔は自衛隊も安保条約も違憲で無効といっていたくせに、今回のデモでは自衛隊と安保は合憲で、安保法制だけが違憲というわかりにくいロジックでした。ずいぶんと主張が後退したなと思いましたよ。そんなご都合主義で矛盾だらけの反安保運動が国民の理解を得られるわけがありません。

桜林 ちょっと矛盾していますよね。

上念 そもそも、(よし)()(しげる)は朝鮮戦争に巻き込まれないようにアメリカの再軍備の要求を何度もはねつけた。ベトナム戦争だって、たとえば韓国軍とは違って日本は人を送らなかった。協力することに国益を見いだせないから、基地の提供だけで精いっぱいということにして逃げ切ったわけです。その際の方便や説得の理屈としてつくりだされたのが個別的自衛権と集団的自衛権ですよ。

桜林 本来、自衛権には個別も集団もないんですけれどもね。

上念 おっしゃるとおり。戦争に巻き込まれないための理屈として編み出しただけですから、自衛権がどうのこうのなんて本質ではなく、よその戦争に巻き込まれないことそのものが大切だったわけです。結果的には、この方便を使ったことは正しい判断でしたよ。


 そして、昨今の中国の軍事的な台頭によって北東アジアの環境が激変しました。これに合わせて自国が戦争に巻き込まれないために日米連携を強化するための安保関連法案をつくったのに、集団的自衛権だから違憲だという()()(くつ)を持ってきて反対するのはおかしいと思います。


 集団的自衛権は戦後ずっと行使され続けていたわけで、個別的自衛権という言い方は、ベトナム戦争に巻き込まれないようにするための、たんなるレトリックですから。

桜林 これまでだって、違憲だとか、海外派兵反対だとかいわれながら、自衛隊のみなさんは本当に海外の現場でご苦労されている。そうした方々の仕事ぶりがあってこその平和なのに。

上念 そういえば、ソマリア沖に派遣されていた海上自衛隊の護衛艦が、二〇〇九年にはピースボートの船を護衛してあげていましたからね。

桜林 そうそう!

上念 ちょっと待ってくれよ、みなさん、自衛隊反対、「海外派兵」反対じゃなかったのかと。

桜林 派遣されてまだ間もないころでしたよね。

上念 小型火器しかない海賊に重武装の自衛艦で臨むのは憲法の精神に背くとかいっていたのに。ものすごいご都合主義ですよ。

桜林 そうですよね。


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