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決定版 人物日本史
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歴史
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2 神武天皇……神の世から人の世へ、日本の歴史のはじまりに現れた初代天皇

『決定版 人物日本史』
[著]渡部昇一 [発行]扶桑社


読了目安時間:19分
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神話の時代と人間の時代はどこがどう違うのか


 (じん)()天皇(かむ)(やまと)()()()()(この)(みこと)は『日本書紀』の(にん)(のう)の部の最初に書かれている初代の天皇であり、『古事記』においても同じように扱われている。これは神武天皇の時代からは(かみ)()ではないということを表している。このあたりが日本の歴史の非常に良心的なところである。神代というのは主として伝えられた神話の世界だが、神武天皇以後はみんなが知っている人間の時代だといっているわけである。伝承の時代と実際ここにある時代とを神武天皇を境にして区分しているのである。この日本人の歴史感覚は実に正しいと私は思う。


 実際は神代の話として伝えられたことでも実在の証拠はいろいろと残っている。たとえば出雲(いずも)大社は、『古事記』には「底つ岩根に宮柱ふとしり、(たか)(まが)(はら)()()高しりて」(宮殿の柱をどっしりと据え、天高く()()を立て)と書かれている。それにもかかわらず、潔くそれは伝えられた神代の話であると断っているところが素晴らしいところである。実在の証拠はあるが、伝承だから確かめようがないということなのだろう。


 神武天皇以後にも伝えられた話というのはもちろんある。しかし、これは比較的近い時代の出来事だから嘘や空想があまり入っていないと考えられる。しかし、現代であっても歴史が本当の時代を映しているかというと、これは難しい問題である。端的なのは現代の中国の歴史である。その時代を知っている我々は、七十年前に日本人に大勝利したという中国共産党の宣伝を誰が信じるものかと考えるのだが、今はその時代を全く知らない人たちが増えているから、そのように教えられればそう信じてしまうのである。こうなるとほとんど日本の神代と同じ状態である。


 いや、その発想は神代どころの話ではないかもしれない。たとえば、連合国の対日方針を決めるために一九四三年(昭和十八)にエジプトのカイロでカイロ会議というものが開かれた。そこに出席したのはアメリカのルーズヴェルト大統領、イギリスのチャーチル首相、中国国民党政府の主席であった(しょう)(かい)(せき)である。

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