ルポ・エッセイ
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最後の大物総会屋、小川薫の「闇の論理」
『裏社会「闇」の構図 ヤクザとカタギの黒い関係』
[著]礒野正勝
[発行]イースト・プレス
読了目安時間:8分
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「またヤッたか。いったい何度目なんだ」
その名前を見つけた私は、思わず大声を出していた。
新聞の社会面に載っていた20行ほどの記事を目にして、なつかしい名前に驚くと同時に、衝撃を受けた。総会屋の小川薫が、警視庁に恐喝未遂容疑で逮捕されたというベタ記事だった。東証1部上場の不動産会社「アーバンコーポレーション」(本社・広島市)の社長に手紙を送りつけて、現金を脅し取ろうとしたのだという。脅迫文は、反社会勢力との関係を株主総会で暴露する。仲間の総会屋も強烈に質問すると言っているが、自分なら質問を止められる、という内容だった。
平成18年6月のことで、年齢は70歳になっていた。
私は、かつて小川薫にインタビューしたことがあり、なつかしくもあったが、まだ企業恐喝を行っていたことの衝撃のほうが大きかった。というのは、平成15年5月にも、やはり警視庁に恐喝容疑で逮捕され、その報道でひさびさに小川薫の消息を知り、まるで彼と再会したような感慨を抱いたことを覚えていたからだ。
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