『巨人軍の巨人 馬場正平』
[著]広尾晃
[発行]イースト・プレス
ここで、この本の底本とした馬場正平の自伝について説明しておきたい。
馬場正平の自伝には、1994(平成6)年に出された『16文の熱闘人生』と、1987(昭和62)年の取材に基づいて没後の2002(平成14)年に出された『ジャイアント馬場 王道十六文』がある。
この2冊の本の事実関係は基本的に同じだが、微妙に違いがある。
『16文の熱闘人生』では、正一の戦死については「戦死の公報と遺骨が返ってきた」と書かれているが、『王道十六文』には「戦死の一報が入っただけで、遺骨も遺品も戻ってこなかった」と書かれている。