『寝たきりだけど社長やってます ―十九歳で社長になった重度障がい者の物語―』
[著]佐藤仙務
[発行]彩図社
僕と松元がどのように仕事をしているのかをお話したい。
以前、仙拓が請け負った美容室のウェブサイト制作の話をしよう。
美容室の名前は「みにくいアヒルの子」。美容師さんは加藤さんという、30代前半の男性である。加藤さんは、僕が会社をやっていると聞いて興味を持ち、仕事を発注してくれた。加藤さんは美容室の仕事が終わった後、僕の家を訪ねてきてくれた。
僕の仕事場に入ってきた加藤さんは、美容師だけあって、少しパーマのかかったおしゃれな髪型をしていた。加藤さんは床に寝たきりの僕のそばに座って、お店のホームページを作ってほしいと言った。