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(2021/11/26 追記)

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パチンコ裏物語 店長大暴露編
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エンタメ
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1 遠隔操作は存在するのか?

『パチンコ裏物語 店長大暴露編』
[著]阪井すみお [発行]彩図社


読了目安時間:6分
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「最近、本当に勝てないんだよ」


 消費税の増税後、こんな言葉を聞く機会が増えた。これまでもただでさえ出ていなかったパチンコ、スロットが近頃ますます出なくなっているように感じているのはぼくだけではないようだ。


「店が台を遠隔操作して、玉が出ないように調整をしている」



 玉があまりにも出ないためか、パチンコファンの間では相変わらずこんな噂がまことしやかに囁かれている。


 遠隔操作については、第1弾の『パチンコ裏物語』にも書いた。昔、勤めていた店で台の裏から怪しい線が延びているのを見つけて店長に尋ねたところ「アースだ」という答えが返ってきたのである。


 後にこの店が閉店し、店長と昔話を電話でしていた時に「実は遠隔操作をしていた」と認めた。ちなみに「証拠も見せようか?」と言われたがそれは丁寧にお断りした。ぼくも不正行為に加担していたと思われると迷惑だからである。



 遠隔操作は存在する──このように書いたところ、業界人から驚くほどの反響があった。

「よくぞ書いてくれた!」などというお褒めの言葉は一切なく、「そんなことは出鱈目だ」

「今も昔も遠隔などない! この嘘つき!!」「99・99999%ない!」というような罵詈雑言の雨あられである。


 遠隔操作が存在したのは紛れもない事実である。過去にぼくが勤めていた店にもあったし、調べてみると、平成19年の4月に横浜のパチンコ店が遠隔操作で摘発を受けたことが報道されている。この店では、台に遠隔操作をすることができる部品を取り付け、それを店長室のパソコンから操作して目当ての台に大当たりが起こるようにしていたという。


 また、平成23年7月には、大阪市此花区四貫島のパチンコ店が遠隔操作で摘発されたこともニュースになった。この件に関しては取材がてら大阪の業界人と飲んだ折には四貫島のパチンコ屋の話になり、「信じられない事だがやはり遠隔操作は存在する」という結論になった。


 この店はICチップを不正に取り付けて確率を操作していたらしい。しみじみした口調で「……遠隔の店だとは思わなかった」と語る姿を見ながら、真面目に仕事をしている方にはショックだったのだろうと思った。


 遠隔操作については、やっている店の数が多いか少ないかと言うのは問題ではない。「やっている店がある」という事実は事実として受け止めなければならないという事だ。事実を無視して「ない」と言い切るのは愚の骨頂だろう。



 寄せられた反響の中には、「遠隔操作は昔の話」「今はない」という意見もあった。

「今はないと言うその根拠は?」と尋ねると、「遠隔が発覚すると営業取り消しになる。何十店舗もあるチェーン店がリスクを負ってまで遠隔操作はしない」と言う。


 確かに、昔と今では規制も格段に厳しくなり、デメリットが大きくなったのは事実だろう。


 遠隔操作の手口については、ホールコンピュータ、もしくは事務所のパソコンから通常の中継基板や不正装置を経由して遊技台を操作し1台1台個別操作するタイプと、1島ごとに操作するタイプに分かれている。


 ぼくの勤務していた店は個別操作ではなく、1島ごとに管理しランダムに大当たりを発生させるタイプだったらしい。遠隔操作で出玉管理するのだから釘調整など無意味というか実際、非常に適当だった。何しろこの店、ヘソに玉が乗るのは当たり前。営業時間中に釘を直すのも当たり前。そういう悪い店を見続けてきたせいであろうか、最近のパチンコのあまりに酷い釘調整を見るにつけ、「こんな赤ん坊が打ったような釘調整で堂々と営業できるとは、何かやっている店なのでは?」と疑ってしまう自分がいる。



 実際に現場で働く人たちは遠隔操作をどのように捉えているのだろうか──ぼくのブログにコメントを寄せてくれた現役店長、関係者諸氏に意見を聞いてみた。

「遠隔操作は現実的なものではない様に感じます。私の身の回りでは、そういうことは一切なかったです。逆に、そういうシステムがあればいいな! と妄想していたくらいです。毎日、毎日、データを分析して、『今月の予算はこうだから、明日はどう調整しようか?』『週末だから?』『休日だから?』『イベントだから?』とその状況に合わせて考え、実際に釘を叩くのは重労働です……」


 釘を叩くために、休みの日や閉店後、あるいは日が昇る前の早朝に出勤しなければならない店長の苦労は計り知れない。遠隔操作があればそんな苦労をする必要もなくなるはずだ。ある意味、「仕事が辛い」と言うのは遠隔操作をしていない店であれば当然の意見である。


 ちなみに遠隔操作の店の店長は思い出すほどに、仕事らしい仕事をしていなかった。釘調整10分程度、出勤時間30分以下である。


 話を元に戻そう。

「もし遠隔操作ができたら、回転数が合わずに嘆くことも、粗利がショートして焦ることも、出そうと思っても出なかったり、利益確保のつもりが大盤振る舞いをしてしまったり……そんな苦労もせずに済みます。システムが本当に合法化されれば導入したいと思いますよ」


 別の店長も言う。

「遠隔操作ができれば、会社側も社員に釘や計数管理の勉強をさせる必要はありませんし、高いお金を払って釘師を雇う必要もありません。釘のゲージ表を毎月会費を払って購入する必要もありませんし……もっと言うと、それがあればこんなに回らないパチンコにはなっていないと思います。どれだけ回っても遠隔操作が出来るのなら、どこよりも回しますからね。まあ、釘調整は違法であくまでもメンテナンスという話ですが……」


 このような意見もある。

「どこぞの悪徳オーナーが使っているということも、ひょっとすればあるかもしれません。ですがそれを業界全体でやっているという認識は、間違っていると言わざるを得ないですね」


 現場の声をまとめると「遠隔操作はないとは言わないが、あったとしても例外中の例外」という事であろう。


 だが、ここまで話を聞いても、長年業界を見続けてきたぼくは素直に「100%遠隔操作は存在しない」とは言えない。


 パチンコ業界は黒に近いグレーの塊で、「長年の慣習」「既得権」とはっきり口には出さないまでも「自由な営業」を今日まで続けてきた業界である。


 また、遠隔操作は過去に幾度も「ない」と言われながらも存在してきたのだから、「今はない」と言われても、どの口が言うのだと感じてしまう。「ない、ない、と言いながらあるのではないか」というのがぼくの偽らざる意見である。



 遠隔操作は技術的には十分可能である。そして、使うか使わないかは店次第である。これが事実だ。昔はあった。今は不正撲滅に力を入れている。そういう事だろう。


 そんな状況の中で本当に健全化を謳うなら、隠したいであろう過去の事実を無かったものにせず、暗部を認めたうえで改革していかなければパチンコで負け続けているファンは納得しないと思う。


 倫理や罰則を持ち出して業界側から「ない」「過去のもの」と断言しても説得力がない。


 ファンの方から「遠隔操作はない」と声が出た時、初めて遠隔問題は解決するのだと思う。

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