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パチンコ裏物語 店長大暴露編
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エンタメ
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1 パチンコ店店長の仕事

『パチンコ裏物語 店長大暴露編』
[著]阪井すみお [発行]彩図社


読了目安時間:6分
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 パチンコ屋の店長というとどのようなイメージを浮かべるだろうか。奥の部屋で監視モニターを見ながらインカムで店員に指示を飛ばし、自分は札束を数えている、といった感じだろうか。それとも、裏でコソコソ遠隔操作をしているというイメージだろうか。

「店長交代イベント」「店長の日」などのこじつけイベントでしか表立って出てこない店長とは、果たして普段何をしているのだろうか?


〈機構ニュース〉(2014年1月号)の記事からである。


「2013年11月にはあるホールで店長が検査(※著者注:遊戯機及び周辺機器の検査)に伺った検査員に対し、『睡眠を妨害された』『その時間分の報酬を払え』『誓約書のコピーなんか信用出来ない』などの言葉を浴びせ、検査受け入れをかたくなに拒みました」



 目を真っ赤に充血させて荒れ狂う店長の姿が目に浮かぶようである。


 別件だが、検査員に暴言を浴びせた挙句、胸を突いてくるという「暴力行為」に及んだ店舗責任者もいたという。


 検査員はさぞかし驚いただろうが、パチンコ業界に関わるならば覚えておいていただきたい言葉がある。

「業界の常識は世間の非常識」


 一昔前のパチンコ店員は一癖ある奴が多かった。見た目はチンピラ、客を客とも思わない接客、暴言、客とつかみ合いの喧嘩をしている奴もいた。


 しかし現在、客の目に触れる店員は見た目だけはまともな連中が多い。一部に例外はいるものの、おしなべて口の利き方も柔らかく丁寧である。


 むしろ問題なのは外部の人の目に触れない店員以上の連中である。


 ぼく自身が店員時代に一番揉めていたのは店長だ。店長の中には「オーナー気取りの暴走店長」や「勘違いしているプチ権力者」がいる。こういう輩が雰囲気を非常に悪くしている場合がある。


 胸を突かれた検査員には「気の毒に」という言葉しか見当たらない。指先で軽く小突くにしろグーで思い切りド突くにしろ、暴力行為は罰せられて然るべきである。


 ただ一点だけ「睡眠を妨害された」という店長の言葉には若干同情の余地がある。


 ぼくが現場で見続けてきた店長は万年寝不足気味だった。なぜ寝不足か。それは店長の勤務形態にある。一例として店長の1日の仕事の流れを追ってみよう。



 朝7時に店舗到着→10時開店後、休憩→16時に早番、遅番の引継ぎのため再出勤、食堂で夕食の後、休憩→22時、再び出勤。閉店後に台の調整→24時、終礼、施錠、帰宅



 これはあくまでも店長の下に「仕事を任せられる部下がいる」場合の話である。部下が育っていないパチンコ屋の場合はこんなに甘い勤務ではない。


 遊技台の調整を1人で行い、営業中は接客トラブルや台トラブルによる呼び出しに備えて事務所で待機。


 年中無休の商売ゆえに連休や有休など基本的に取る事ができない。休日も遊技台の調整をしてから「半日だけ休日」という店長もいる。


 前述の「暴言」を吐いた店長は精神的にも肉体的にも限界だったのだろう。パチンコ店長はある意味、24時間拘束奴隷なのである。


 しかし近年、店長業務も待遇が改善されて「完全二交代制システム」を取り入れている店もあるようだ。某店長の話である。

「私自身は阪井さんが言うような『開錠から施錠まで勤務』という経験はありません。1日中事務所に詰めているような生活が毎日続けば家庭崩壊になりますよ。モチベーションも下がります。仕事に追いまくられて睡眠不足では新鮮な発想も浮かばないですよ」


 某店長の話をまとめると、「完全二交代制」とは例えば店長が早番で、役職者が遅番という感じのようだ。もちろんこれは早番と遅番が入れ替わることもある。


 あくまでも一例だが、某店長の勤務例である。


〈早番〉朝8時に店舗到着→10時開店→12時、食事休憩(30分程度)→16時、遅番朝礼→17時~18時に帰宅

〈遅番〉15時に店舗到着→適当に食事休憩を取り(30分程度)→23時、閉店。遊技台の調整→24時、終礼



 これでは思いっ切りサラリーマン店長だ。

「今はこんなものですよ」と某店長は言う。


 ぼく自身は店長の経験はないが、かつてあちこちのパチンコ屋を放浪しながら店長の疲れ切った姿を見るたびに「ぼくにはできない」と思ったものだ。

「パチンコ屋の店長ってどんな人?」と聞かれれば「事務所のソファーに横たわっている疲れ切ったおっさん」もしくは「机に突っ伏して寝ているおっさん」と答えるだろう。


 妄想や誇張ではなく、店長の離婚率は非常に高かったように思う。


 しかし、それも昔の話。今は店長でも割と自由に休暇が取れるようである。羨ましいというか、時代が変わったのだろう。


 それでは、疲れ切った表情の昔の店長たちは給料を幾らぐらい貰っていたのか?


 税込月収100万円が最高、最低は税込26万円がぼくの知る店長の給料である。


 それでは今どきの交代制勤務の店長は幾ら給料を貰っているのか。さすがにこの質問には「勘弁してください」という事で答えていただけなかったのでパチンコ就職サイトで調べてみた。どうやら月収4050万円、年収600~700万円が相場のようである。



 最後に、ホールに一切顔を出さないパチンコ店店長が事務所でコソコソ何をやっているのか尋ねてみた。

「遠隔操作ではないですよ(笑)。メルマガの作成、イベントの立案、ポップの制作、各種事務処理、提出書類の作成、遊技台のデータチェック、本部とのやり取り、細かい仕事が色々あります」


 大したことはやっていないが、事務所で呑気に寝ているというわけでもないらしい。


 ホールという名の戦場を汗だくで走り回っている店員と違って事務所で汗ひとつかいていない店長も色々と忙しいようだ。


 立場上、オーナーに一言言えない店長たちに「何か言いたい事はないですか?」と尋ねてみた。

「4号機バブル時代の考え方では通用しません」

「モノにフォーカスせず、ヒトにフォーカスしましょう。ヒトというのは社員であり、お客さんです」

「社員が頑張りたいと思う環境を創りましょう」

「ちゃんとパチンコを勉強してからモノを言ってもらいたい。わからないなら、わかる人間に任せてほしい」


 吐き出したい事が山のようにあるようだがキリがないのでこの辺でやめておこう。


 現場のパチンコ店員は負け客の対応と肉体労働でストレスの塊だが、事務所の店長もそれなりのストレスを抱えているようである。パチンコ屋で働くのも楽じゃないという話だ。

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