『ガラケー男がネット副業で年収5000万円』
[著]五十嵐勝久
[発行]扶桑社
毎月毎月決まって給与が支払われるというのは、サラリーマンのみなさんが思っている以上にありがたいことです。副業で毎月安定した収入を得て、その状態を何年も継続するのは容易なことではないからです。
副業を始めた知人や友人に、僕はいつも「給料が安くても会社をやめるな!」と言っているのですが、その一番の理由がこれ。「副業が順調に回り出したら早めに会社をやめて本腰を入れたほうがいいのでは?」と思う方もいるでしょうが、会社勤めをしながらでも副業で稼ぎ続けることは十分に可能です。“本当に会社をやめるべきとき”が来るまで、会社をやめてはいけないと僕は思っています。
では、“本当に会社をやめるべきとき”とはいつなのか?
僕自身、副業を始めてすぐに稼げるようになったものの、副業開始から7年経った一昨年までサラリーマンを続けていました。一例として、まずは僕の経歴をお話しさせてください。
子どもの頃から、僕の目標は「サラリーマンになること」でした。なぜなら、僕の実家は自営業で収入が不安定だったから。父親が建設業を営んでいたのですが、僕が小学生の頃にだんだん景気が悪くなってきて、貧乏生活が始まってしまったんですね。ちょうど周囲の状況が把握できるようになった年頃だったので、それまでの羽振りのいい生活からの変化にもの悲しさやみじめさを感じたことをよく覚えています。そして気づけば、「将来は収入の安定したサラリーマンになりたい」という思いが芽生えていたのです。
高校生になった頃には、より明確なビジョンを思い描くようになっていました。「安定したサラリーマン生活を送るためには、まずはそれなりにいい大学に入り、社会的信用のある企業に入らなければダメだ。社会的信用のある企業といえば、一番は銀行だろう」と。僕は秋田県で生まれ育ったので、華やかな東京で社会的ステータスのあるサラリーマンとなった未来の自分を、よく夢想したものです。
しかし、高校時代の僕は県総体や東北大会に出場するほど部活のバドミントンに熱中していて、月の半分は学校の合宿所で過ごす生活をしており、勉強する時間はほぼゼロ。本当に頭の悪い落ちこぼれになってしまっていました。
そこで一年浪人し、365日24時間勉強という日々がスタート。もし二年浪人することになったら、就職に不利になり社会的ステータスのあるサラリーマンになるという目標から外れてしまうので、もう必死です。
受かるための最短ルートを考え、勉強に時間のかかる記述問題の多い現代文はいさぎよく捨て、マークシート問題の解き方を徹底的にマスターするという、テクニック的な受験勉強に励みました。
結果、35~40というどん底だった偏差値が最終的には70までアップ。そして、“東京の私大”で“試験がマークシート”で“国語の配点のウエイトが低い”大学を選んで受験し、無事に中央大学の経済学部に合格することができたのです。