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封印された鉄道史
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エンタメ
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はじめに

『封印された鉄道史』
[著]小川裕夫 [発行]彩図社


読了目安時間:3分
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「ここが横浜なわけがない。着くのが早すぎる!」


 明治5年(1872年)、日本初の鉄道に新橋駅から乗車した人々は、到着した横浜駅で口ぐちにそう叫んだという。明治時代の東京人にとって、横浜は一日かけて歩かなければたどり着けない場所だった。陸蒸気に乗ってわずかな時間で到着した先が、横浜だと信じられなかったのは当然だろう。


 鉄道が開業してからというもの、この国は劇的な変化を遂げてきた。明治から昭和にかけての奇跡的な経済成長は、鉄道という強力な輸送手段に支えられたものだった。庶民の暮らしが町から街へと広がったのも鉄道という足があったからだ。鉄道の歴史はすなわち、日本の近代化の歴史でもあるのだ。


 だからこそ、鉄道には触れてはいけない話がある。


 日本の歴史をひも解くと、策謀や陰謀が入り乱れており、近代化への道が決して平坦ではなかったことが分かる。それは鉄道も同じだ。国の基幹事業であった鉄道は、時代の趨勢に応じて、国家や時の権力者によって翻弄されてきた。かつて鉄道は強力な票田であったため、利権争いの舞台となり、国威高揚の道具としてもしばしば用いられた。その歴史の中には、一般の利用者が知るよしもない、口外無用のタブーが数多く埋もれているのである。

「鉄道は国家なり」


 本書はそんな鉄道のタブーを集めた本である。


 第一章は、隠蔽された鉄道と題し、様々な事情から封印されることになった鉄道車両やエピソードをまとめた。日銀が所有し、2003年まで運行されていた現金輸送列車「マニ30」、戦時中に都会から農村に向けて走った糞尿運搬車「黄金列車」などを取り上げている。


 第二章は、天皇と鉄道と題し、天皇の特別車両である「お召列車」に関するエピソードを取り上げた。現在でも地方で国体などが開かれた際、天皇が特別編成の列車に乗って移動することがある。神秘のベールに包まれたお召列車の運行規則などについても触れている。


 第三章は、戦時下の鉄道と題し、戦時中の鉄道に関するエピソードをまとめた。戦時下の鉄道は軍事輸送の要として重要な役割を務めた。米英軍の捕虜を運んだ通勤列車など興味深い逸話も紹介している。


 第四章は、鉄道と利権と題し、鉄道にまつわる政治や金に関するエピソードを取り上げている。新幹線開通時の混乱、現在でも問題とされている鉄道会社の特別優遇措置などを紹介している。


 第五章は、鉄道ガチバトルと題し、鉄道各社の熾烈な乗客獲得争いを紹介する。捨て身の値下げ競争が繰り広げられた関西鉄道vs東海道本線、国が調停に動いた南海鉄道vs阪和電気鉄道など、興味深いエピソードは数多い。


 鉄道が開業してから約140年。


 その間、日本の鉄道にはいったいどのようなドラマがあったのか。封印された歴史の旅にご案内しよう。

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