読みたいトコだけ買える本。
犬耳書店
初めての方へ 記事一覧 無料登録 ログイン

犬耳書店はRenta!へ統合いたします

(2021/11/26 追記)

犬耳書店の作品をRenta!に順次移行します。
詳しくはこちらでご確認いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

0
-1
kiji
0
1
1101143
0
危ない世界の歩き方 危険な海外移住編
2
0
4
0
0
0
0
ルポ・エッセイ
お気に入りとは?

お気に入りボタンを押すとお気に入りリストにこのページが追加されます。興味のあるページ・気になったページを後から確認するのに便利です。

お気に入り お気に入り
「2万円か人殺しどちらか選べ」銃が手軽に買える国

『危ない世界の歩き方 危険な海外移住編』
[著]岡本まい [発行]彩図社


読了目安時間:4分
この記事が役に立った
4
| |
文字サイズ



 ジャマイカでは2万円出せば銃が買える。


 お金が用意できなくても、ギャングのボスが指示したとおり人殺しをすれば、その報酬として銃を受け取ることができる。


 簡単に手に入るのは銃だけではない。人の命も簡単だ。


 10万円を払いさえすれば人殺しを請け負う殺し屋がうようよいる。よくある手口はこうだ。殺し屋はターゲットに近づくと、「よくも俺の友達をバカにしたな! あいつは今ショックで寝込んでる。慰謝料だせ、こら」など、あることないこと、とにかくいちゃもんをつけて、お金をせびる。


 ここでもしターゲットが「そんなの知らない!」と言おうものなら一発ズキュンだ。


 命あってこそである。こんなむちゃくちゃな理由で殺されそうになっても、誰も助けてくれない。関わりたくないとばかりに目を合わせることもなく足早にどこかに行ってしまう。


 以前、私の友人が同じ目に遭った。殺し屋を前にして彼はあわてて100円払ったそうだ。お金を受け取った殺し屋は、小さく頷くとあっさり去って行ったという。


 無事に済んでよかったと言ってあげたいが、続きがある。


 これに味をしめた殺し屋は道端で友人とばったり出くわすたびにお金をせびるようになったのだ。殺されるよりはましと、そのたびにお金を渡してきたそうなのだが、こう度々ではさすがにキツイ。近頃は、外に出るのが嫌になってきたらしい。


 これだけ簡単に人が殺されるのは、銃の普及率にも問題があると思う。


 ジャマイカは銃社会だ。銃を持っていない人のほうが少ないのではないだろうか。


 驚くべきことにジャマイカ人は1314歳にもなると自分で銃を作りはじめる。上手くいかずに暴発して指がぶっとんだんだと4本しかない手をひらひら振りながら見せてくれた知り合いもいる。


 ジャマイカ国内に流通している銃の大半は外国製だ。銃を積んだ船がカリブ海に浮かぶハイチを出港し、ジャマイカの港を目指す。その中でも特に有名なのは、東岸セント・トーマス港だ。ここはジャマイカでも有数の貿易拠点となっている港だ。


 しかし、船によっては許可証が無いために入港できない場合がある。その時は、沖合で一旦止まり、船から小さなボートを出して港を目指す。海岸にボートが見えてくると、取引相手であるジャマイカ人数人が海に飛び込み、ボートに向かって泳いでいく。小さなボートを囲んで武器の取り引きが始まるのだ。


 最も緊張するのは受け渡しの瞬間だという。いざ受け渡す段になって銃撃戦が始まり、命を落とすことがあるからだそうだ。


 私が以前付き合っていた彼は、海に囲まれた島に住んでいるくせに、海で泳ぐのが大嫌いだった。どんなに誘っても、ノーと言っては拒む彼にいらいらして詰め寄ったことがある。


 彼が渋々、「この海で何人も友達を失ったから入りたくないんだ」と重い口を開いたときはさすがに気持ちが重くなったものだ。


 銃を持つ人の多くは、パンツのウエスト部分に差している。


 ジャマイカで挨拶をすると、「元気ー?」などと言いながらハグすることがままあるのだが、お腹に固いものがあたったときは、「あ、銃持ってるな」とすぐにわかる。


 この国に来てすぐのころは、挨拶する人、挨拶する人、銃を持った人ばかりなので、驚いたものだ。


 前著『危ない世界の歩き方』でも書いたが、レゲエイベントで突然撃ち合いが始まり、観客総出で走って逃げることもある(バッファローの大群を見ているみたいだった)。


 夜寝ている時にパンパン! という乾いた銃声が聞こえることもしょっちゅうなので、今や銃を持っているくらいでは驚かなくなってしまった自分に驚いている。


 基本的に、観光客は銃のトラブルには巻き込まれないことが多いのだが、それでも万が一、銃声が聞こえたら周囲に注意を払ってもらいたい。

「ふせろ!」と聞こえたらその場に伏せて、「走れー!」だったらひたすら走る。もっとガンショットが起きた時のことを書きたいが、なんのアドバイスにもなりそうにないので、ここらでやめておく。

この記事は役に立ちましたか?

役に立った
4
残り:0文字/本文:1640文字
この記事を買った人はこれも買っています
      この記事を収録している本
      この本で最も売れている記事
      レビューを書くレビューを書く

      レビューを書いてポイントゲット!【詳細はこちら】

      この本の目次