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独裁国家に行ってきた
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ルポ・エッセイ
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【賄賂を渡さなければ監獄行き】コンゴ共和国・コンゴ民主共和国

『独裁国家に行ってきた』
[著]MASAKI [発行]彩図社


読了目安時間:27分
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  売春宿にたどり着く



 世界一危険で世界一残虐な国がある。そう、元社会主義のザイールであるコンゴ民主共和国と、元フランス領であるコンゴ共和国のコンゴ両国だ。204ヶ国に実際に行った視点から見ても間違いなく世界の中で危険な地域トップ3に入る国である。


 コンゴ民主共和国はベルギーのレオポルド2世による統治時代から、ヨーロッパ人による人を人とは思わない暴力的な黒人の支配が行われてきた。アフリカ人のモブツ政権になってからもそれは変わらず、最も残酷な国の1つとまで言われ、レイプや拷問、賄賂の横行など色々な角度から世界中で非難されてきた。先に言っておくが、僕は二度とこの国に行きたいとは思わない。


 2011年9月、赤道ギニアを経由して、ガボンからコンゴ共和国のブラザビルに飛行機で入った。マヤ空港という名の空港は建設されたばかりで意外にも綺麗だったが、街に入り宿探しをしていると、やはりそこはコンゴだった。安宿を聞いても、なかなか見つからない。タクシードライバーは普通の高い宿にばかり連れて行く。

「もっと安い宿はないですか?」

「安い宿はないよ」

「そこをなんとかならない?」

「あぁ、1つ知っているけど、あそこはバッドボーイ達がいるからなぁ」

「治安が悪いの?」

「あぁ、セキュリティー上問題があるかもしれないよ」


 世界放浪を継続するためにもお金を切り詰める必要があった。一般庶民が旅行などしないこんな国で、高すぎる政府関係者用のホテルになど泊まる資金はない。現地のドライバーがためらうほどの宿だということだが、そこにチェックインすることにした。


 宿はいかにもおんぼろな雰囲気の売春宿だった。宿の主はロビーで酒を飲んでおり、その周辺に売春婦らしき黒人の女が何人もたむろしている。


 こりゃ、ヤバイな。下手すると身ぐるみはがされそうな宿だ。僕はすぐに宿代の支払いを済ませて部屋に移動したが、すぐに捕まってしまった。売春婦たちは懸命に中国人という獲物を捕まえて金をせびりたいようだ(コンゴでも中国人の進出は多く、やはり日本人には見えないようだ)。太い体をした黒人の女はコンゴビールの黒い瓶を下に向けている。

「もうビールがなくなっちゃった」


 女はぷっくり膨れた腹の肉を揺らしながら、こちらを向いてそんなアピールをしている。こいつらは飲みまくって泥酔しているし、何をしでかすかわからない。すぐにそいつらにビールを奢り、僕は部屋に閉じこもった。

“コンコン!”


 部屋の扉を叩く音がする。女が自分を買わないかと勧誘しているようだ。マジで勘弁して欲しかった。こんな女と一夜を共にでもしたらどんな病気をもらうかわからない。そもそもこんな売春宿みたいな宿にシャワーなどはなく、どこから汲んできたのかわからないバケツの水をかぶるスタイルのシャワーのみだ。トイレの便座すらも存在しない臭いトイレに置かれたバケツが唯一の水道という、最悪の衛生状況だ。


 売春女はどういうわけか鍵を開けて入ってきてしまった。さすが、売春宿だけあり、売春婦側も鍵の開け方を知っていたのだろう。コンゴという国はどこまでも恐ろしい。

「私を買わない?」

「いや、いいよ……」


 僕は頑なに拒否した。しかし、女は金をもらわないと気が済まないようだ。女の目線はすでに僕の持っている荷物にいっている。こりゃ恐ろしい。下手に機嫌を損ねたりしたら武器を持ってきて、荷物ごともぎ取られてもおかしくはない。


 しびれを切らした女は勝手に服を脱ぎだした。部屋の中に黒人特有の体臭が充満する。うぉぉ、真っ黒な爆乳ボディーはティーバックから肉がはみ出し、猛烈なフェロモンを放っている。

「わかった。わかった。金は払うよ。金は払うから」


 結局、僕は最初に言われた額の2倍の1万セーファーフラン(約2000円)を払ってお引き取り頂き、この売春宿で一夜を明かした。本当に恐ろしい国である。コンゴという国ではこういった取り引きが日夜、行われているのだろう。



  ブラザビルの天理教会



 翌朝、すぐに売春宿を脱出し、旅行者が泊まれると聞いていた天理教会に向かうことにした。そもそもコンゴを旅行する日本人旅行者自体、ほとんどいない。そんな中、行き場がなくなった旅行者がたどり着くのが天理教の宗教施設なのだという。僕は片っ端からタクシードライバーに天理教会の場所を訪ね、一番わかっていそうなドライバーの車に飛び乗った。タクシーはその天理教会に迷いながらも到着した。確かに天理教会はコンゴに存在した。どういう経緯で天理教に興味を持ったのか知らないが、多くの信者がいて、彼らにとっては宗教こそがこの貧しいコンゴで生きるための1つの支えになっているようだった。教会の敷地に入ると、日本語で書かれた注意書きを、会長と呼ばれていた黒人の男から渡された。

「ここは天理教コンゴブラザビル教会で、宗教・信仰活動を行っている所です。他に行き場のない場合、お泊まりいただくこともあります。

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