『実録! いかがわしい経験をしまくってみました』
[著]藤山六輝
[発行]彩図社
「オニイサン、アソビマショ」
「マッサージ、エッチモアルヨ?」
繁華街の喧騒の中、カタコトの日本語が投げかけられる。声のする薄暗い路地に目を向けると、そこには娼婦丸出し、ケバケバしい身なりの女が腕組みをして立っている……そのような経験は、誰でも一度や二度はあるのではないか(ないか?)。
むろん、このように街頭で客を取り売春をする行為は摘発の対象だが、彼女たちは時として男性の腕や洋服を掴んできたり、強引に暗闇へと引きずりこもうとしてくることもある。
あるいは、ただジーッと目配せをしてくるだけで、こちらから話しかけない限りは全くその場所から動こうとせず、不気味なオーラを周囲に醸し出しているというパターンも。
そんな彼女たちは“立ちんぼ”と呼ばれており、エリアにもよるのだろうが、そのほとんどがアジア系の外国人女性で、その評判はお世辞にも良いとは言い難い。
ボッタクリや美人局など、何かしらの被害に遭ったという悪評もさることながら、いかんせん年増のオバちゃんが多く、エッチ以前の問題もある(笑)。
このような得体のしれない女性たちに、立ち向かう勇者などいるのだろうか? 実際、エロ本出版社勤務経験がある私でさえ、なんとなく興味はあるが敬遠している状態で、声をかけられても普段はスルーしていた。
しかしながら、ある日、とんでもない美女に出会ってしまったのだ……。
北川景子似の“座りんぼ”に声をかけられる
私は、都内のとある繁華街で飲んでいた。
終電間際、人混みを避けて裏道から帰ろうとしていると、いつものごとく、立ちんぼからひっきりなしに声をかけられた。
「カッコイイオニイサン、ツカレテルデショ? マッサージ?」