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(2021/11/26 追記)

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愛蔵版 戦国名将一日一言
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ルポ・エッセイ
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九月の言葉

『愛蔵版 戦国名将一日一言』
[著]童門冬二 [発行]PHP研究所


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1
茶碗を割ったのではない。自分の器量の小ささを割ったのだ。
伊達政宗 


 ある時、伊達政宗は突然、名器といわれた茶碗を割った。驚いた周りの者が、
「なぜ、名器をお割りになったのですか?」

 と訊くと、政宗はこう答えた。
「この茶碗の値段を尋ねたら、千金だという。驚いた。しかし俺が茶碗を割ったのは、別にこの茶碗が高価だからというのではない。茶碗の高価さに驚いた俺の器量の小ささに腹が立ったのだ。だから割ったのは、茶碗ではなくて俺の情けない心だ」

 周りの者は、そういう考え方もあるのかと顔を見合わせた。


2
人の心は天候のようなものです。
加藤清正 


 加藤清正は、豊臣秀吉に可愛がられた大名だったが、石田三成と意見が合わなかったので、関ヶ原の合戦では徳川家康に味方した。戦いに勝った後、家康が、「こういうことを、雨降って地固まるというのだ」と言った。集まった大名は皆、「そのとおりでございます」と言った。

 ところが加藤清正だけは、「人の心は天候と同じです。いつまた雨が降るかわかりません」と言った。

 家康はじっと清正をみつめ、「加藤の言うとおりだ」と頷いたという。

 清正は、「これから後も、いつ、いかなる裏切り者が出るかわかりません」ということを言ったのである。

 家康は、「それもそうだ」と感じたのだ。

 同時に、家康は、(その謀叛人の有力な候補者に、この加藤清正がなるのではないか)と疑った。


3
塩を止めるなどは、実に卑怯な振る舞いだ。
上杉謙信 


 武田信玄の治める甲斐は山国だ。海がない。したがって、塩は同盟国である駿河の今川氏や相模の北条氏から輸入していた。ところが、今川氏や北条氏との同盟が破れたので、今川氏と北条氏は相談して、武田信玄のところに塩を送らなくなった。これを聞いた上杉謙信が怒った。
「塩を止めれば、なんの罪もない一般人も食生活に困ってしまう。いいだろう。私のほうから塩を送ろう」

 そう言って謙信は、越後から直接、甲斐国に塩を送ったという。


4
敵は米で馬を洗っているぞ。
毛利元就 


 毛利元就が、石見(いわみ)の青屋友梅という武将を攻めたことがある。城の城兵は少なかったが、戦意が高くよく戦い抜いた。元就は、兵糧攻めにした。ある日、丘の上にのぼって敵の城の中の状況を見た。敵は、馬に惜しみなく水をかけて洗っていた。元就の部下は、
「敵はまだまだ水が豊富と見えます。あのように馬を洗っております」

 と報告した。元就は笑って首を振った。
「いや、敵の水はすでに絶えはじめている」
「しかし、あの馬を洗う水は?」
「あれは水ではない。米だ」

 米を水のように見せかけて使っているのだという。しかし、それはまだ米が豊かにあるということだ。元就はじっと時を待った。やがて敵側から降伏の申し入れが来た。部下たちは改めて元就の分析力の鋭さと、先を見る力がすぐれていることを知った。


5
金銀をためるのは自分から三代までにせよ。
北条早雲 


 先見力が非常にすぐれていた北条早雲が言うのは、「家の永続を願うためには、金銀を蓄えなければならない。財力を身につけることは必要だ。しかし北条家においては、三代まででいい。なぜなら、三代目になる頃には必ず上杉家が倒れる。それから後は、いままでためた財力を大いに活用して、世の中に役立つ部下をたくさん養うことを心がけよ。そしていい部下を養う場合にも、二十歳前、あるいは七十歳を越えた連中には土地を与えるな。金銀をもって給与とせよ。なぜなら、二十歳前の者はまだ能力が未知数だからだ。七十歳以後はいつ死ぬかわからない。それに土地を与えておくと後で必ず問題が起こる。土地を与えるのは二十歳過ぎ、そして七十歳前に限れ」

 なかなか細かいことを指示している。こういうきめの細かさが、後に徳川家康が治めにくいと言った積み石の一つ一つになっていったのだろう。
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