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ガイドブックには載っていない 本当は怖い沖縄の話
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雑学
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怖い話其の1 【沖縄の心霊スポット】本当は怖い沖縄の霊域

『ガイドブックには載っていない 本当は怖い沖縄の話』
[著]神里純平 [発行]彩図社


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 沖縄には独特の風習が存在するが、特に有名なのがユタではないだろうか。ユタとは、一般的な言い方をすると霊能者ということになるだろう。


 ユタは「医者半分、ユタ半分」という言葉があるほど沖縄社会に深く溶け込んでいる。お年寄りなどは特にユタへの信仰が強く、何かあれば「ユタに相談に行ってくる」というぐらい生活の一部になっているケースもある。


 昨今のスピリチュアルブームにより、ユタは沖縄だけではなく県外でも知られる存在になった。それと時を同じくして、ユタが修行をする場所が観光地として一般に開放されるようになった。その一部の霊域を紹介していきたい。



  注目を集める大石林山



 (だい)(せき)(りん)(ざん)とは、沖縄本島最北端の辺戸岬の近くにある、熱帯カルスト地形の山である。カルストとは、2億年前(古生代)の石灰岩が長い年月をかけて雨水などにより浸食されてできたもので、ピナクルと呼ばれる石灰岩が侵食し尖った丘や、タワーカルストと呼ばれるタワー状の地形など、特徴的な景観を見ることができる。


 ここは「ゲゲゲの鬼太郎 千年祝い歌」や「雷桜」などの映画のロケが行われたことのある場所でもある。


 もともとは、島建ての神アマミキヨが降り立った沖縄最初の聖地とされており、琉球王朝時代には王家の繁栄、五穀豊穣、航海安全をこの地で祈っていた。40箇所を超える拝所が断崖絶壁や洞窟の中などの危険な場所にも作られていることから、その信仰が深かったことを彷彿とさせる。


 私は、この場所が整備される前の少年時代にここを訪れたことがある。素行の悪かった私を心配した両親がユタに相談をしたことが切っ掛けだった。わずか250メートルにも満たない山だが、その道中はとても険しく息が上がった記憶が鮮明に残っている。


 頂上に着くとユタは、線香や中国から伝わったとされるウチカビと呼ばれる黄色の紙を取り出し火をつけて、丁寧に手を合わせて何かに祈っていた。


 息を切らして登った心地良さも手伝って私も自然と手を合わせていた。


 何分経過しただろうか、おもむろにユタは「あなたは、もう大丈夫だから」と笑顔で私に言った。残念なことにその後も、私の素行が直ることはなかったのだが。


 当時は沖縄の人間しか知らなかった大石林山だが、現在では「アシムイスピリチュアルツアー」なるものができ、専門ガイドの案内で歩くことができるようになった。パワースポットとして一部の人気を集めているようだが、こんな話を聞いたことがある。


 修学旅行で大石林山を訪れた高校生が記念にと、そこにある石を持ち帰った。するとそれ以来、高校生は体調を崩し、何件もの病院を渡り歩いたが一向に原因がわからなかったそうだ。衰弱していく子どもを見て両親はわらにもすがる思いで沖縄に行き、ユタに相談をした。ユタは、石を戻すようにアドバイスをした。すぐに両親がアドバイスに従うと、高校生の体調は回復に向かったという。


 ツアーで訪れることができるようになったとはいえ、もともとは沖縄最初の聖地であり、ユタの修行の場所とも言われたところである。霊域であることに変わりはないので、それ相応の気持ちで訪れたほうがいいだろう。



  歴史の重みを感じる平和祈念公園



 糸満市にある平和祈念公園は、糸満市摩文仁の丘陵を南に望み、南東側に険しく美しい海岸線を眺望できる台地にある。那覇市からは距離にして約22キロ、タクシーでは約3500円で行ける場所だ。


 太平洋戦争時に沖縄では激しい地上戦が行われた。アメリカを筆頭とする連合国は沖縄県に上陸し、住民や日本兵を南へ南へと追いつめていった。沖縄の南部に位置する糸満市では史上最悪となる数の犠牲者を出した。


 平和祈念公園は悲惨な戦争を二度と繰り返さないという誓いと、世界平和への願いを込めて作られた公園である。


 特筆すべき点は、思想や宗教すべてを超越するという理念のもと軍民あわせて24万人の犠牲者の氏名が刻まれた「平和の礎」があることだろう。


 ここを訪れる観光客も増えているようだが、霊域ということもあり、少し霊感が強い者は気分が悪くなってしまうこともある。まったく霊感のない私だが、訪れた際は何か荘厳な気分になるし、歴史の重みを感じさせられる場所である。


 罰当たりな者たちが肝試しにと夜ドライブをしたらエンジンがかからなくなった、足のない兵隊さんを見たなどという噂はよく耳にする。興味を持たれた方はこの場所であった出来事を理解した上で訪れてもらいたい。



  最も格が高いとされる斎場御嶽



 沖縄で御嶽(うたき)といえば聖なる空間を意味する。


 その中でも斎場(せーふぁ)御嶽は、別格である。琉球の創世神話に登場する御嶽の中でも、最も格の高い聖地とされている。斎場御嶽は、南城市にあり那覇から車で30分の距離にある。


 琉球王朝の祭祀を取り仕切る“ノロ”と呼ばれる女性の集団が国家的な祭事を維持し祈祷を捧げてきた男子禁制の場所であり、国王といえども入口から奥には立ち入ることができなかった。国王が入る際は女装をしていたようだ。


 神の島と言われている久高島が一望できることからもその神聖さをうかがい知ることができる。実際、重要な儀式の際には久高島から砂が運ばれ敷き詰められるほどの徹底ぶりであった。


 2000年12月には世界遺産に登録されて誰でも入ることができる場所になっているが、神様にはお金が必要ないとの理由からだろうか「賽銭を置かないで」との注意書きがある。


 私が子どもの頃は、あまりにも神聖すぎる場所として認識されていて、ユタでなければ女性でも行かないほうが無難であると言われていた。ここに行ったがために長年体調を崩したという話を耳にしたこともある。


 御嶽も含めてパワースポットと呼ばれる場所は地元の者以外が入ることはできなかったし、県民はそれを当然のように知っていた。「○○には絶対に行くな」と両親や周囲の大人から注意されたものだ。仮に行くことがあっても昔から続く厳格なルールがあり、それを守らなければならなかったし、多くの場合、ユタなどの特別な人を伴うことになっていた。


 ここ数年、さまざまな霊域が観光スポットとして認識され、訪問者のマナーの悪化が問題視されるようになってきた。


 訪れる人はもともとは霊域であることを頭に入れて、ルールを守り、開放されている場所にだけ足を踏み入れるようにしてほしい。

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