僕は講演で、冒頭で「こんにちは」の挨拶に元気がないともう一度言います。
そうすると「ヤバい。だらっとやっちゃった。2回目はちょっと元気よくやろう」となります。
1回目の「こんにちは」と2回目の「こんにちは」の落差がどれだけあったか気づくことです。
その延長線上に自分の未来があります。
壇上からはそれがよく見えます。
負けず嫌いの人は、2回目の「こんにちは」が元気になります。
中には、2回目のほうが小さくなる人もいます。
1回目も2回目も声を出していない人もいます。
1回目は声を出しても、2回目に声を出さない人もいます。
壇上から見て、「君、こうだったよね」と言うこともできます。
それを言うのは子供の世界です。
「私、どうだったでしょう」と聞くのは子供の甘えです。
大人はそんなやり方はしません。
「この人は2回言っても口開けないな。じゃあ、この人に頼むのはやめよう」と考えます。
社会人になるまでは、きちんと叱ってくれるという中で育ってきました。
そういうトレーニングを受けてきたのです。
「会社に入ったら、きっと先輩や上司に叱られるんだろうな」と思い込んでいます。
でも、先輩も上司もそんなことをしているヒマはありません。
叱るエネルギーのような生産性のないことはやっていられません。
業務は忙しいのです。
会社は最小限のコストで最大限の利益を上げなければなりません。
叱っているより、その仕事を先輩や上司はやってしまいます。
仕事を覚えられないと、ますます依頼されなくなります。
その人は永遠に仕事ができないままで、終わります。
「これ、やっといて」と頼まれて、やり方がわからず「すみません、わからないんですけど」と言うと、「じゃあいい、僕がやっとくから」と言われます。
これが大人の社会です。
「できるように頑張りますから」と言っても、「急いでるからいいよ」となります。
「ダメじゃないか」とは言ってくれません。
「こんなこともできないのか。ダメじゃないか」と叱られたらどうしようと考えるのは甘いです。
そんなことは一切言ってくれないのです。
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2 叱られてないことに、気づこう。