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アジアマリファナ旅行
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ルポ・エッセイ
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まえがき

『アジアマリファナ旅行』
[著]谷口狂至 [発行]彩図社


読了目安時間:4分
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 これは僕の恥の記録である。


 僕は青春の20代から充実の30代を、アジアで大麻とたわむれることに費やしてしまった。なんの生産性も進歩もなく、ただカンボジアやインドで吸引してはラリッているだけの日々を、いったいどのくらい繰り返してきただろうか。同級生が社会人として歩み始め、ある者は出世し、ある者は結婚し、それぞれ人生を頑張っているのに、僕はパンツ一丁で安宿の汚いベッドに横たわり、ヨダレを垂らしてひたすらニヤニヤしていた。


 やがて、旅行者としてアジアに行って吸引するだけではもう飽き足らず、実際に住むようになってしまった。当初はタイの首都バンコクに沈殿していたのだが、ダメな外国人がさらに多いカンボジアの首都プノンペンに流れ着き、ああ幾星霜……。


 そのどうしようもない日々をナゼか連載記事として掲載してくれた雑誌がある。タイ・バンコクに編集部を持つアジア・エンターテインメントの総本山「Gダイアリー」である。ちなみにどうでもいいことではあるが、この「G」とはジェントルマンの頭文字である。紳士の日記なのである。タイ・日本の両方で販売する日本語の雑誌だ。


 実際は編集部・執筆陣・読者ともに変態紳士の集まりだったわけだが、この末席に僕も加えていただくことになった。タイをはじめアジア諸国のエロ記事やエロ広告が満載のどうしようもない雑誌であるわけだが、その中にいきなり、タイ政治に鋭く切り込むルポがあったり、戦乱のイラクへの潜入記があったり、マトモなグルメ記事が載っていたりする。そのカオス具合は、僕のようなクズのジャンキーの存在も許してくれるのであった。


 僕はふだん、プノンペンの自室に閉じこもって、ネットを駆使したアニメ鑑賞とオナニーにふけるキモオタ引きこもりライフを送る、いわゆる「外こもり」「国際ニート」である。しかし気晴らしにアジア各地を巡っては、各地の名産の大麻を賞味する。

「Gダイアリー」での連載は、旅と引きこもり生活、相反するふたつの要素が柱となっていた。両者を結びつけるものが「娘」であった。


 そう僕は、編集部の方針もあって、大麻のことを「娘」と称していた。そのものズバリの記述は憚られるというので、当時の編集長と話しあった結果、「よしガンジャはお前の娘ということにして、その耽溺記を著せ」ということになった。当初はワケがわからず混乱した。吸引することを「娘と愛し合う」と書き、購入するのは「娘の身柄を受ける」「身代金を払う」と脳内変換。「ラオスの女は上玉が多い」「インドの誇る黒い貴婦人」など、マニア以外はほとんどわからぬ半ば暗号と化していた。読者諸氏もさぞパニクッたことと思われる。しかし連載が続くにつれ、だんだん大麻が本当に女に見えてきて、擬人化表現に僕も読者も慣れていったのである。


 だが当時を知らない新しい読者のためにも、ここは表記を改めることになった。連載を愛読していた方からすると寂しいかもしれないが、各所にポロリと昔の表現も残しているので、ニヤリとほくそ笑んでいただければ幸いである。


 さて、大麻とひとくちにいっても、皆さんご存知の通り製法等により呼び方はさまざまだ。本文中に出てくるものでは、ガンジャとは乾燥させた大麻のことで、ハッパという表記もしている。ハシシとは大麻樹脂のこと。黒い粘土のような見た目からチョコレートと書いてある箇所も。それとジョイントはこれらの大麻をタバコのように巻いたもの。ま、基本知識はそんなもんだろうか。


 掲載当時と状況が変わっている場所は多々ある。アジア諸国の移り変わりは激しい。そこはあちこちに独断と偏見による脚注を入れてあるので参考にしてほしい。


 それでは皆さん、良きハッピー・トリップを。

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