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江戸東京の寺社609を歩く 下町・東郊編
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旅行
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[10]下谷・竜泉と根岸界隈を歩く……台東区(荒川区)

『江戸東京の寺社609を歩く 下町・東郊編』
[監修]山折哲雄 [著]槇野修 [発行]PHP研究所


読了目安時間:11分
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「呉竹の根岸の里は、上野の山蔭にして幽趣あるが故にや、都下の遊人多くはここに隠棲す、花になく鶯、水にすむ蛙も、ともにこの地に産するもの、其声ひとふしありて、世に賞愛せられはべり」
『江戸名所図会』は根岸圓光寺(えんこうじ)と時雨岡不動堂の挿画にはさんで、根岸の里の侘び住まいの様子を載せている。右の文はその絵につけたもの。

 住まいの前を流れる細い水路のきわに棒手振(ぼてふり)が荷をおろしている。枝折戸(しおりど)から皿を手にした女がでてくる。生垣は竹を曲げた桂垣(かつらがき)だろうか。奥では焙烙頭巾(ほうろくずきん)をかぶった老人と麻の葉文様をきてキセルをくわえた男が碁盤をかこんでいる。遠くに田畑がひろがっている。

 頭巾の老人がこの家の主人とおもわれるが、侘びた閑居の静かな空気につつまれている。江戸庶民の羨むような根岸での暮らしぶりを絵にして、さしずめ現代の瀟洒(しようしや)な別荘風景をみせているわけだろう。

 いま筆者でも、根岸の里と聞くと、下町情緒とはあきらかにちがい、かといって山の手の雰囲気とも異なる特有な土地柄を想起して、実際はちがうけれど、たとえば、「曾祖父が晩年に暮らしていたところ」といったイメージをもつのである。
「木々枯れて明治の家々あらはなる」(篠原梵(しのはらぼん)

 また、根岸は鶯の多いところから「初音(はつね)の里」ともいわれ、駅名の「鶯谷」も都内のなかでいちばんにかぞえていい佳名である。
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