『絶対に足を踏み入れてはならない 日本の禁断の土地』
[編]歴史ミステリー研究会
[発行]彩図社
日本史上最悪の獣害事件
北海道北西部に位置する苫前町は、日本海に面していることから道内でもとくに強風が吹く地域として知られている。
そんな苫前町の中心部から山間部に30キロメートルほど踏み入った場所で、今から100年あまり前の1915年12月、血も凍るような恐ろしい事件が起きた。
日本最悪の獣害事件といわれる三毛別羆事件である。
明治時代の後半から大正時代にかけて、それまでは未開の地も少なくなかった北海道で開拓が盛んに行われるようになった。
事件が起きた三毛別六線沢村もそのひとつで、村には20軒あまりの小さな家が建っていた。