『進化し続けるイチロー』
[著]国際情勢研究会
[発行]ゴマブックス
うれしいが、やはり通過点
――おめでとうございます。
イチロー ありがとうございます。
――4257安打を積み重ねた率直な感想から聞かせてください。
イチロー ここにゴールを設定したことがないので、実はそんなに大きなことという感じは全くしていないのです。けれどもチームメートだったり、記録のときはいつもそうですけど、ファンの方だったりと、ああいう反応をしてもらえるとすっごくうれしかったです。
そこですね。それがなかったら、何にも大したことないです。
――場内の拍手についてどう思いましたか?
イチロー うーん、僕としては日米合わせた数字ということで、どうしたってケチが付くことはわかっているし、ここに目標を設定していなかったので、あまりやらないでと思っていたんですけど。
でもそれは止められないですから。無視するのも失礼ですし。1本目のファイブフィートの内野安打ではなかなかそれはできなかったというか。まぁタイですしね。抜いたわけではなかったので。あそこでは絶対できなかったし。
でも、ダグアウトからチームメートが喜んでくれている姿が見えたので、軽く返したということだったんです。さすがに2本目はしないことが僕の矜持だというところが少しありましたけど、それでもああされると、という感じですね。
――チームメートはベンチの中で並んで立って拍手していた。