中国と韓国は日本より不自由な国か?
都市の発展ぶりや若者の姿は日本と変わらない中国と韓国。だが、日本にくらべて自由は制限されている。
【日本】中国、韓国とのギャップが大きい日本
日本では戦後、平和主義と、国民主権、人権尊重を掲げた憲法がつくられ、現在まで民主主義政治が定着している。以上は空気のように当然のことだが、日本と中国、韓国を比較するうえでは、けっこう重要なことである。
欧米列強による植民地化が進んでいた第二次大戦前のアジアで、いちはやく近代的な産業と軍事力を発展させた日本は、台湾や朝鮮半島、中国大陸の一部を支配下に置いた。これが遠因となり、今も中国や韓国には反日感情が根強く残っている。
戦後の日本は、日米安保体制の下でアメリカの保護を受けながら、軍事ではなく経済で国力を拡大させて発展をとげてきた。
そして、世の中が豊かになるにつれて、国への忠誠より個人の自由を尊重する価値観が優先されている。愛国心のアンケートをすると、日本は非常に低いのだ。
だが、植民地化された経験をもつ中国と韓国は、外国に対する警戒心が根強く、戦後も軍事が政治に大きく影響してきた。こうしたちがいが、軍事力の差や価値観のギャップの原因にもなっている。
【中国】社会主義だけど不平等な中国
共産党の一党独裁による社会主義体制が1949年にはじまった中国。社会主義は本来、金持ちによる貧乏人の搾取を否定して平等を唱えるが、現在の中国は格差社会。矛盾している。
これは、78年に経済開放政策が導入されたことに端を発する。それまでは産業は基本的に国営で、日本や欧米との交易も少なかったのだ。
さらに、91年には同じく社会主義だった旧ソ連が経済の不振で崩壊した。これが決定打となり、中国は共産党政権を維持したまま、日本や欧米と同様の競争主義を大々的に進めたわけだ。
この政策がようやく効を奏し、今まさに空前の好景気となっている。ただ、経済は自由化されても、政治的には不自由の多いのが中国の特徴でもある。共産党を批判する勢力や、独立を主張するチベット、東トルキスタン(ウイグル)などの少数民族はきびしい弾圧の対象となっている。
中国では死刑執行件数も犯罪件数も多い。このことは政府の過酷な施策と、それに抵抗する人間の多さを物語っている。
【韓国】80年代まで軍事政権が続いた韓国
日本と同じく社会主義とは敵対する陣営に属してきた韓国だが、政治的には不自由な期間が長かった。