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スティーブ・ジョブズ名語録 人生に革命を起こす96の言葉
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はじめに

『スティーブ・ジョブズ名語録 人生に革命を起こす96の言葉』
[著]桑原晃弥 [発行]PHP研究所


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「スティーブ・ジョブズって技術者なの? 経営者なの? よくわからないのに、なぜカリスマなんだ」

 そんな目で見直すと、ジョブズの特質が逆によくわかると思う。確かにジョブズは技術者ではなく、天才経営者ですらないからだ。

 アップルを創業したが、技術は共同創業者スティーブ・ウォズニアックの天与の才にお任せだった。お金は年長の成功者マイク・マークラに出してもらった。経営はペプシコーラ社長だったジョン・スカリーがレールを敷いた。

 ピクサー創業もそうだ。技術はCGの開拓者エド・キャットムルが担い、資金やマーケティングは巨大企業ディズニーが支えた。制作はCG映画の天才ジョン・ラセターに丸投げと言っていい。

 だが、そんなジョブズに、すぐれたライバル企業が先を越され続けているのだ。

 たとえばiPodは、ソニーかコンパックがつくってもおかしくなかった。

 ソニーは、ジョブズが「iPodは二十一世紀のウォークマンだ」と認めるウォークマンを発明した会社だ。コンパックは、iPodの先駆的製品「パーソナル・ジュークボックス」の開発会社DECを買収している。「本当はコンパックがあれ(iPod)をつくっていたはずなのにと歯がみしたもんだよ」と元DEC研究者テッド・ウォーバーが悔しがっている。ソニーの技術者も同様ではないだろうか。

 パソコンの名機マッキントッシュもそうだ。盛り込まれた革新的機能の多くは、ゼロックスのパロアルト研究所が開発したものだった。しかしゼロックス自身は、ついに技術を製品として結実できなかった。

 なぜだろう。

 エド・キャットムルが、ピクサー創業以前、資金と器材、優秀な人材に恵まれた場にいたのに、ジョブズと出会うまではすぐれた長編アニメーションがどうしてもつくれなかったことを振り返って、こう言っている。
「金だけでもダメ、技術の才能だけでもダメ、とびきりの器材だけでもダメ」

 ジョブズ自身は、独創の秘密をこう語っている。
「多くの企業は、すぐれた技術者や頭の切れる人材を大量に抱えている。でも最終的には、それを束ねる重力のようなものが必要になる」

 重力とは、才能や能力というより、生き方だと言っていいだろう。

 ジョブズは、技術や経営の能力はなくても、時に暴君、時に救世主として君臨し、敗残にも絶対屈しない。そんな生き方によって人を()き付け、知恵と情熱を引き出し、技術と資金と人材を、足し算ではなく、かけ算にして世界を変えてしまえる人間なのだ。だから、カリスマなのである。



 私はこれまで、日本のモノづくりの現場を数多く取材してきた。そして、トヨタ生産方式などのすぐれたシステムを持ち、人材も優秀であるのに、モノづくりの力が弱くなった日本の現実に直面してきた。

 それをしり目に、ジョブズはiPod、iPhone、iPadといった世界的ヒットを次々と出している。ソフト面でも、iTunesや、ピクサーの『トイ・ストーリー』『ファインディング・ニモ』『ウォーリー』といったすごい世界を開拓している。

 両者を見ると、日本企業には大切な何かが欠けているように思えてならない。それが「重力」であり「生き方」ではないだろうか。

 日本でイノベーションが起きにくくなったのは、才能の問題ではなく、生き方の問題と言える。混迷の時代、私たちがジョブズから学ぶべきは、そこではないだろうか。生き方を変えれば、彼ほどの革命を起せなくとも、日々の生活のなかで自分なりの小さな革命を起すことはできるはずだ。

 本書は、まだ成功が約束されていなかった二十代前半から、アップル追放を経て復帰、成功者になった現代に至るまでのジョブズの言葉をたくさん収録した。彼の生き方がおのずから浮き彫りになっているはずだ。

 ジョブズは、経済誌「フォーチュン」によって「過去十年間で最高の経営者」に選ばれた人物ではあるが、私たちと同じように、いやそれ以上に過激な振幅で何度も挫折(ざせつ)している。どう挫折を乗り越え、不安を自信に変えていったのかを発見していただきたい。

 生きづらい時代だ。仕事でつまずいたり、気持ちが暗くなることも多いだろう。そんなときだからこそ、ジョブズの言葉から生きる力を得ていただければ幸いだ。
桑原晃弥(くわばらてるや)
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