『[証言録]海軍反省会 3』
[編]戸高一成
[発行]PHP研究所
それでは、何でそんなになったのかといいますと、まず、日本海軍のレーダーの研究は、一体どうやったんだと申しますと、この発端は、決して遅くはないんです。もともと、短波の通信は、電離層の屈折で地表に戻ってくる。地表の反射で、また上に上がる。そういう事で、遠くまで届くんでございます。したがって、電離層の高さを調べることは、短波通信には、非常に必要なんです。それの研究を、海軍では昭和五年頃からやっているわけです。どういう事をやるかと申しますと、この初めは、短い電波を打ち上げるわけです。そうしますと、電離層から戻ってくる、それの時間によって、どの高さに電離層があるか、しかも、一つではなくて、いくつも戻ってきますから、どの高さと、どの高さにある。