『[証言録]海軍反省会 3』
[編]戸高一成
[発行]PHP研究所
小島 さっきの話でね、エニグマの話がありましたね。エニグマはね、昭和十四年頃にね、日本海軍が買ったんです。僕が駐在員だった。それで、エニグマを買ったんです。それを日本に持ってきてね、そして、横須賀工廠に行ったら、井上(憲一・兵50)さん、電気のね、井上さんとこに行ったんだ。井上さんがね、説明書が読めないっていう事で、僕が説明書読んであげて、説明した事がある。今度の戦争の始まる時ね、あとは飛行機の無線で、エニグマを使いたいって言うの。ドイツの海軍武官の方がね、いつも鞄の中、エニグマ入れて歩いているんだから、そして、あれはその自分でキーを変えるんだよな。