『[証言録]海軍反省会 3』
[編]戸高一成
[発行]PHP研究所
そんな事で、この時は武者小路、大島もいた。陸軍の馬奈木(敬信・士28)君が参謀本部付、馬奈木君が日本の陸軍の案を主に担当したと言われている。陸軍が非常に中心になった協定でして、軍事条項というのは大した事ないんですね。軍事条項入れろ入れろと陸軍が騒いだ。どういう条項を入れられるかという事が問題になりました。両方ともソ連の肩を軽くしない、だからドイツはソ連の国境に近い所の自分の軍隊を減らす事はしない。日本は満州にあって、ソ連国境にある軍隊を減らさない。それだけの秘密協定です。それはすぐ新聞に流れました。英国の新聞に出ちゃったんです。