『[証言録]海軍反省会 3』
[編]戸高一成
[発行]PHP研究所
ヒトラーは、ずっとソ連を攻撃しているが、今度は独ソの間の和平をやったらどうか。これは保科(善四郎・兵41)さんに関係している、日本から忠告したらどうだと。東京で私は戦争中、出かける前に重光(葵)さんに呼ばれて、一緒に食事をしながら話をした。東京に来ているスターマーに相談したって相手にしない。相手にしないわけですよ。ヒトラーにその気持ちがない。独ソの和平はヒトラーは絶対に考えていない。それはおかしいんですよね。ヒトラーとすると、ソ連を敵にしている事でイギリスも味方してくれるだろうという、その希望がちょっとあるんです。ソ連を敵にするんで、ヨーロッパ全体が反共をやろう、反共をやろうと宣伝している。