『[証言録]海軍反省会 3』
[編]戸高一成
[発行]PHP研究所
私が二度目に、戦争中潜水艦で行ってからは、一度こういう事があったんですね、私はかなり、重光(葵)さんから言われた事を大島さんに話したんですね。大島さんは、その時点で、まだドイツ軍に望みを持ってたんです。おかしいと思うんですけどね。そして、独ソ和平を自分が仲介する、という事について不熱心。東京では、そういう事を希望してる。そういうことを言っても、向こうは、スターマーも相手にしない。大島氏もあまり深入りしない。
ところが私が行ってみると、ヒムラーの所から、私に使いが来まして、これは、SS(親衛隊)の少将でした。本職はお医者さんでしたがね。独ソの戦が非常に難しくなって、日本でどう言ってますかって言うから、日本は独ソは早く和平を結ぶべきだったと、こう言ってますよ、と言うと、ヒムラーもそう言ってるんですが、ヒトラーに、それを言う人がないんだと、こう言うんです。