『[証言録]海軍反省会 3』
[編]戸高一成
[発行]PHP研究所
大井 小島さん、あんたにね、先ほどのあなたにきっと参考になると思われる、私一つ情報っていうか持っております。というのは、大島(浩)さんですね、大島さんはですね、ドイツの事ばっかり聞いてるんじゃなくて、ドイツの事聞いておれば良かったんですけれども、ドイツの事を聞かないっていうのがあるんですよ。聞かないために、非常に日本の判断を誤らせたというよりは、訂正させなかったという。というのは、西郷従吾さんがね、西郷従吾さん、この人が私どもと軍事研究なんかやってる。陸軍の人とそれから統幕の人なんです、海軍もいますが。そんな研究会で報告されたんですから、これは真剣に調査の上で、調査というか不正確でなくて言った事だと思うんですが、独ソ開戦が起きた時に、七月の下旬から約一カ月にわたって、(大島さんが)東部戦線を視察に行ったんだそうです、そしてその時は、西郷さんだけが西郷従吾氏が付いていった、たった二人。そうしたら最初にですね、これは確かBとかSで始まるような大将がおりました。
あそこの軍司令官で、とにかくですね、二つの司令部で、これは大変な事になったと言うんだそうです、ソ連はとても強いぞって考えたわけですね。