『[証言録]海軍反省会 3』
[編]戸高一成
[発行]PHP研究所
佐薙 暗号は。
小島 暗号取られる。
佐薙 戦後になって分かったんですか。
小島 いや、戦争中にそう言われてた。こう言われたんだ、ドイツからね、あなたのほうが本国へ打った電報が、アメリカで取られてるよって言って、ドイツの外務省から注意があった、大使の所へ。ドイツも取ってるんだよね、ドイツも解読してる。それで暗号を打つ事を躊躇してくれと言われた。それだから僕は、暗号文を笠原(幸雄・士22)君に持って帰ってくれって言ったのはそれなんです。うっかり打つとね、解読されちゃうんです、解読されると、ドイツに、お前んとこの暗号はすぐ解読されると、こう言われるから。
笠原が飛行機で日本に行くと言うから、暗号文を笠原君に渡して、海軍省へ届けてくれと。