『[証言録]海軍反省会 3』
[編]戸高一成
[発行]PHP研究所
寺崎 私の感じでは、小島さんその他海軍武官の方が勇戦奮闘されたんでしょうけれど、陸軍のアタッシェ(駐在武官)ね、あれはさっきあなたからちょっとあった有末さんの三国同盟裏話っていうんですか、白鳥(敏夫)大使とか、あるいは平出(英夫)さんとか、笠原(幸雄)さんの関係とかね。色々な往復したとか、イタリーとの間を。イタリーは初めドイツのほうはネグレクトしてね、参加させないと。日本とだけやるというような、そういう空気だったのを、次第にあれを連絡してやったというような経緯がずっと書いてある。しかし私はね、陸軍と海軍の、武官の情報交換それが独立してやっとったという点があって、総合的な素直な全体の情報を中央に報告しない。そして東条さんのご機嫌を取るような電報ばっかり打ってきたりと、そういうような点が非常にあったんじゃないかと思います。