『[証言録]海軍反省会 3』
[編]戸高一成
[発行]PHP研究所
末国 ちょっともう一つ。ハワイ攻撃の問題については、これは海軍大学校の研究部の昭和十一年の報告の中に、航空母艦でハワイを攻撃やって開戦にする着意が必要であるという事が出されているんです。それが山本長官にどれだけの影響があったかどうか、それを探索する方策はないけれども、海軍大学校、昭和十一年に研究の報告書の中にあるんです。
黛 ハワイ作戦の記録を見ると、昭和三年に五十鈴の艦長の時頼まれて、水雷学校の高等学生に演説した時に、日米戦争は緒戦において、真珠湾を空襲することが必要なり、と言われてるようですね。角田(求士・兵55)の書いた「ハワイ作戦」(「戦史叢書」一九六七年、朝雲新聞社)っていうやつに、そういう事が書いてあります。
末国 昭和十一年ですか。
黛 昭和三年、それは。
末国 三年ですか、それは私は知らない。
矢牧 それはですね、途中になりますがね、昭和十一年という事は、私は昭和十一年の八月に帰ってきたんだから、それで軍令部の五課におった。