『[証言録]海軍反省会 3』
[編]戸高一成
[発行]PHP研究所
松田 先ほどの話で駆逐艦が潜水艦に三〇%も撃沈されたんです。あべこべならまだましだよ。アメリカの潜水艦は日本の駆逐艦の三〇%。その全然逆なんだよ。どうもその辺の事がよく分からない。
土肥 それは記録があると思います。被害の表をアメリカが出してますんで、それを丹念に拾っていけば数字は出る。日本の駆逐艦がね、アメリカの潜水艦にやられてると、たくさん。これ逆のような気がすると、松田さんはおっしゃっている。
有田 だから、逆転されたわけですよ。
寺崎 向こうはソナーとか、色々な攻撃兵器はね、駆逐艦でも持ってるわけですよ。日本の駆逐艦でソナーなんて持ってるものないでしょ。
泉 いや、それは付けましたよ、一生懸命。
寺崎 それはしまいでしょ。初めからは持ってないでしょ、持ってるの。
有田 艦隊に装備された、開戦当時にね、例えば、駆逐艦でソナーの装備なんかの指令は、「戦史叢書」なんかに出てる。それで、私らは陽炎、陽炎型の第一艦で、九三式探信儀、アクティブの、それから、やっぱり九三式の聴音器は、水中聴音機です。それで私、十五年の末から十七年の末まで、ずっと、先ほど申しましたけど、艦隊の訓練してた。