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[証言録]海軍反省会 3
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歴史
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【大井発表 「水交」発表予定の記事について】執筆動機

『[証言録]海軍反省会 3』
[編]戸高一成 [発行]PHP研究所


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大井 実は(わたくし)が今日お話しする事は、私がこの前も申しましたように、あの本はあのまま普及しつつあるようですが、その、見逃しておけないものもあると思いますので、それで少なくとも海軍の方は日本全国におられるわけですが、少なくとも海軍の方にだけでも、こんな本が出ているという事、それから読まれた方には、この本はこういう点に私は問題があるというような事を、申し上げておいたほうがいいと思いまして、この反省会とは別に実は「水交」にも出してまして、なるべく早く反省会の成果が出る前に言っておかないといけないと具合が悪いと思いまして、「水交」に何回かに分けて出す事にいたしました。その事をしかしまた私だけの考えしか映らんわけですが、これから書く事はみなさんのご意見も伺いながら書く必要があると思いまして、実は土肥さんに私が喋る機会を与えてもらえるようにお話ししましたら、いいと言われましてしかも今日だったわけです。それでこれから私お話し申し上げるわけですが、それにはやはり「水交」に私出すつもりでおるような事をそのまま申し上げて、それについてのご意見を伺いましたほうがいいと思いまして、これからそれを読みます。それからこれは全部終わったわけではありません。がこの事実関係というもの、どういった事実を取り上げているかという事と、それに対して事実関係の取り扱い方、歴史観みたいなものあるわけです。これが一番この本の問題点だと思いますが、それはまだ実は原稿を渡しておりません。一番大事だと思いますが、今日お話し終わりましたらみなさんのご意見を聞きながら考えさせて頂きたいと思います。では今から読みますのでひとつ後でご意見をお聞かせください。


 旧海軍出身の代表有志が二年ほど前から「海軍反省会」という会合を月一、二回開いております。途中から私も参加させて頂いております。海軍の反省という事だから、海軍生活をかなり長く送った同士の集まりである。幹事役でもない私の言及すべき筋のものでもないし、また、事実私には分からない事も多いが、自由討議の場で、報酬などは無論なく、特権的なものは何もない。ただ旧海軍に関して、将来に語り継ぐべきものが、あるかないか。あったらそれをどのように捉えるべきかといったものを話し合うという事です。私などは出席率不良で申し訳ない次第だが、みなさんは最長老の新見(まさ)(いち)(兵36)中将を筆頭に、熱心に出席され、発言極めて活発むしろ会合回数や、討議時間の不足を来す有り様だから、反省の問題点や材料など多すぎて困っているのが現状である。そこへ昨年末たまたま中公新書から「海軍と日本」池田清著が出版された。それは私共海軍反省会の者にとっても参考とすべき内容を数多く含むものであった。池田氏は海兵七三期で摩耶、武蔵の撃沈時に乗艦し、被爆負傷したようだし、終戦時には海軍中尉であった。海軍解体後は東大政治学科に学び、その後は日本学会における第一人者的海軍研究者として堂々の地歩を築いておられる。「日本の海軍」上下巻(一九六六年、至誠堂)をものしたり、五回も渡英して、この方面の研究を深められたりというように、たとえ海軍生活期間の面では海軍反省会の最年少会員より短いにしても、海軍の反省を論ずる上で、私共の欠けている貴重なるものを身につけておられると思われる。中公新書「海軍と日本」(一九八一年、中央公論社)は昨年末出版早々その一冊ずつが当反省会員に配布され、この三月末までにその読後感ともいうべきものを同会幹事に報告する事になった。私は幹事宛の報告に先だってその「水交」誌への筆を執る事とした。というのはここに述べられている事が、全く私だけの見解という事にしたいからである。反省会幹事としてはやがて各会員の報告を受けた上で池田見解に対する当会としての総合意見をまとめる事にするのかもしれないが、それはまだ決まっているわけではないようだ。池田著を読んで私は感心した。これはこれで実に立派な海軍の反省としてまとめられているというのが、この本に対する私の最も大きな感想である。著者は東北大の教授という多忙な職にある関係上、当反省会への出席は望むべくもないし、また我々の海軍反省会の事などご存じなしに、この書を執筆されたに違いないが、文章を通じ当反省会の影の参集者となってくれているといえるであろう。当会幹事が当会員全員に本書を配布したというのは、まさにそうした気持ちからと思われるし、池田氏自身もこの書の執筆の動機、目的が、海軍出身者として海軍を反省する事にあったと、本書の初めの部分に述べております。


 そこで私は考えたわけだが、だとすれば私としても反省会としての統合見解がまとまる前に、一人の会員としての意見を述べてみるほうがいいのではないかと。つまり陰の出席者としてではあるが、池田氏が述べた意見に対して、同じ会員の一人としての私の意見を述べてみるというわけだ。そして海軍反省会の問題は日本海軍出身者にとっての、共通の問題なのだから、できる事ならなるべく多くの海軍出身者たちに考えてもらいたいと思い、私の意見の表現をこの「水交」誌に選んだ。本誌より適当な発表ルートを考えられなかったし、また本誌当局も幸い承知してくださったからである。


 こういう事をやって、海軍反省会というものをやっているという前提で喋っているわけです。では「海軍と日本」の海軍体質論、この本色んな事を書いていますが、結局海軍の体質論について書いているように思います。そこでこの文章も、「海軍と日本」とは違った海軍体質論のような事で、その反駁みたいなもの、いや反駁みたいな言葉はあまり使わないで、しかし実際は反駁になるかとも思いますが、それを言います。


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