『[証言録]海軍反省会 3』
[編]戸高一成
[発行]PHP研究所
土肥 佐薙(毅・兵50)さん。
佐薙 この本はですね、歴史学者の立場から、まあ論じているので、それなりに傾聴に値する所がたくさんあると思います。しかし何分にも著者が二十一歳の海軍中尉という事で、海軍に対する経験が浅いし、それから認識が少ないので、私の見方では皮相な観察が少なくないと。で、また著者は、初めにこう言ってますね。破滅の淵に日本を引きずり込む役を果たした海軍の体質的欠陥を抉り出し、その大きな歴史的責任を究明すると。ここに、この著者の真意があったんだろうと思いますが、それが少し海軍の実態を、まあ、体験をしていないという所から、私は皮相な観察が少なくなくて、公明な、公正な解明がなされていない所が少なくないと。