『ニュートリノ』
[著]多田将
[発行]イースト・プレス
それでは、実際にニュートリノがつくられる様子を見ていきましょう。
ニュートリノが「核子が変化する際に生じる素粒子」だと考えれば、核子が変化しているところでは、必ずニュートリノがつくられているはずです。例えば、先程から登場している太陽などは如何でしょうか。
太陽は、自らの核融合反応で光り輝いている、というお話をしましたが、具体的にはどのような反応かというと、これも先程原子核のところで登場した水素とヘリウムの反応──水素からヘリウムをつくり出す錬金術なのです(図19)。