『ニュートリノ』
[著]多田将
[発行]イースト・プレス
ここで、第2章を思い出しながら、粒子と反粒子についてもう一度考えてみましょう。
粒子と反粒子は双子のようにそっくりでありながら、ある特定の性質だけ、反転していました。
ひとつは、電荷です。この電荷を反転させると、ちょうど全く同じものになる、ということをお話ししました。「貸し付ける」ということと、「借金をする」ということは、立場を入れ替えた(このとき電荷が反転する)だけで、同じことなのだ、という話でした。