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(2021/11/26 追記)

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新人OLひなたと学ぶ どんな会社でも評価されるトヨタのPDCA
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ビジネス
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CHAPTER 3 「CHECK」 自分を正しく評価できれば、会社からも評価される

『新人OLひなたと学ぶ どんな会社でも評価されるトヨタのPDCA』
[著]原マサヒコ [発行]あさ出版


読了目安時間:34分
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街路樹が続くまっすぐな通りに、朝の日差しが照りつけ、ひぐらしの声が響く。私はここのところ、通勤途中にひとつのことが頭から離れない。

玲子さんがケンゴのことを好き――。

いやいや、だからって、なんだっていうの? ま、まさか、私もあの関西人が気になってるってこと? そんなワケない!! そう否定しつつも、なぜか胸のモヤモヤが消えない自分自身に戸惑っていた。


汗を拭いながら自転車を置き、事務所に入っていった。自分の席に着くと、赤西先輩から「キミ、これ読んだか?」と新聞を渡された。

「新聞ですか?」。一面に目をやると「西産自動車、驚異の回復」との見出しが躍っている。

ふぅん。西産自動車と言えば、同じ国産自動車の業界で争ってる企業よね。一時は業績が傾いちゃって、「カルロス・ドーンとかいう社長さんが海外から来て、ドーンとがんばって業績回復に努めています」なんてニュースで見たけど、ホントにがんばっているんだなぁ。

感心しながら眺めていると、赤西先輩が記事を指して言ってくる。

「この記事見て、どう思う?」

「えっと、ドーンとやってますね」。とっさに答えると、「キミ……ふざけてるでしょ」とあきれた顔をして席を離れてしまった。ああ、またやってしまった……。

◆ベンチマーキング

「次は、PDCAのC、『CHECK』だな」

会議室のホワイトボードに「C」と書きながら、赤西先輩が言った。会議が終わってから残っていた私に、PDCAの続きを教えてくれるようだ。

「はい、お願いします」。私は姿勢を正して、前を向き直した。

「これまで計画を立てて、実行をしてきた。この『C』では、その実行を振り返る必要があるんだ。これをやらないと、仕事というのは進化していかない」

私は手元のノートに「仕事は進化させるもの」とメモをした。

「キミもこの会社に来て半年、何台かは車を売ってきたし、キャンペーンも成功させてきた。じゃあ、今の自分を正しく評価するにはどうしたらいいと思う?」

「うーん、どうしたらいいんですかね?」

赤西先輩があきれた表情を浮かべ、目をつぶった。

「質問に質問で返すんじゃない。進歩がないなぁ、キミは」

「すいません」

私はあわてて謝った。謝ってばかりなのは、進歩していない証拠なのかもしれない。

比較だよ。比較をすることで伸びているのか、そうでもないのかが初めてわかる。そのためには比較対象が重要になるんだ。じゃあ今のキミの成長ぶりを、何と比較したらいいと思う?」

Q8 私の成長ぶりかぁ。何と比較すればいいんだろ?

「成長と言えば、自分自身のことだし、1カ月前の自分と比べるんじゃない?」と思った人は、へ。

「ダメな私と比べてもなぁ……。同業他社と比べたらどうかな?」と思った人は、へ。

▼成長と言えば、自分自身のことだし、1カ月前の自分と比べるんじゃない?

「じゃあ、1カ月前の自分と比べてみたいと思います」

赤西先輩は腕を組んでから言ってくる。「いや、悪くないけど違うな。車の売れ行きも含めて仕事には季節性ってのがあるワケ。決算前にセールをよくやるし、お客さんもボーナス後は動きが活発になる」

私は大きくうなずいた。

「だから、季節によって変動する中で前月と比べても、正確な比較にはならないんだよ。もうちょっと考えてみなよ」

自分との比較ではダメなのか。


しばらく考え込んでいると、今朝の新聞を思い出した。そうか、西産だ。

「同業他社と比べてみたいと思います」

赤西先輩はコクリとうなずいた。

「そうだね、悪くない。成長するためには、視野を広く持たないとダメなんだ。自社の中だけで物事を考えていたら、小さな人間になってしまう。とはいえ、なかなか他社の人と個人レベルでの数字比較はできないから難しい」

赤西先輩は、壁に貼られた売り上げグラフをパンと叩いた。

「でも、いくらでもやりようはあるもんなんだよ」


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▼ダメな私と比べてもなぁ……。同業他社と比べたらどうかな?

初めは1カ月前の自分と比較したらどうなんだろう、と少しだけ思ったけれど、それは違うと考え直した。

やっぱりボーナスシーズンはお客様の動きも活発になるし、売り上げも伸びる。時期によって変動すると、1カ月ごとの比較は正確なものにはならないはずだ。

じゃあ、どうしたらいいんだろう?


しばらく考え込んでいると、今朝の新聞を思い出した。そうか、西産だ。

「同業他社と比べてみたいと思います」

赤西先輩はコクリとうなずいた。

「そうだね、悪くない。成長するためには、視野を広く持たないとダメなんだ。自社の中だけで物事を考えていたら、小さな人間になってしまう。とはいえ、なかなか他社の人と個人レベルでの数字比較はできないから難しい」

えっ、結局比較はできないってこと? じゃあ、なんでそんな質問をするかなぁ。ただのいじわる?

そんな私の心の声を察したのか、赤西先輩は、壁に貼られた売り上げグラフをパンと叩いた。

「でも、いくらでもやりようはあるもんなんだよ」



赤西先輩が人差し指を立てて続ける。

「キミ、他社の店舗って行ったことある?」

「いえ、ありません」

自信たっぷりに言い放つ。敵会社に寝返るようなマネはしません、私の車もマンダ社製ですし! ……と余計な一言は飲みこんだけど。

「当たり前のように答えるね。自動車会社の営業をしているのに、他社の営業の様子を見たことないなんて恥ずかしいと思わない? 競合会社だよ?」

「確かに……」

なんだ、愛社精神を試されているワケじゃなかったのか。そうやって改めて指摘されてみると、恥ずかしいかもしれない。

「でも、これから車を買う機会もないですし」

私は言い返した。

「うちのお客様だって全員が買うワケじゃないだろう。そんな言い訳してる場合じゃないよ。他社はみんなやってることだ」

「えっ、そうなんですか?」

私は驚いて眉を持ち上げた。反動でメガネがずり落ちてくる。

「普段、お客様の対応してて気付かないか? たまに同業っぽい人がお客さんのフリをして来てるのに」

「え、全然気付いていませんでした……」

ど、どの人だろう? 気付かなかった。私の鈍感さは折り紙付きなので、仕方がない。でも他社もやっているなら、私もやらないわけにはいかないなぁ。

「こういう比較を『ベンチマーキング』と言うんだけど、他社と自分を比べて、足りない部分を確認したりして、自分たちの目標設定をしていくんだよ」

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