『ザ・ビートルズ 解散の真実』
[著]ピーター・ドゲット
[訳]奥田祐士
[発行]イースト・プレス
「彼の死がポール、ジョージ、リンゴにとてつもない痛撃を与えたことは、想像にかたくない」と「デイリー・ミラー」紙のコラムニスト、ドナルド・ゼックはレノンの死後に書いている。「油井を支える鋼鉄の支柱が一本、急に折れてしまったらどうなるかを考えてみるといいだろう。その種の大災害に、解答は存在しないのだ」
もはや自分たちをビートルズとは見なしていないとかたくなに主張していたにもかかわらず、マッカートニー、ハリスン、スターキーは、彼らの人生がつねに、そこに影を落とす巨大なモノリスによって定義づけられることを知っていた。レノンの喪失は実存的なものだった。